アップル勤務からTinderのトップに 「世界を股にかける」CEOの手腕:グローバルエリートのキャリア(3/4 ページ)
Tinderのレナータ・ナイボーグCEOに、これまでどんなキャリアを歩んできたのかを聞いた。
リーダーとして大事にしていること
――多くの社員を率いるリーダーとして大事にしていることはあるか?
12個あります(笑)。いくつか上げますと、まずは、人が中心の事業であること。人材への投資から私たちの成長が始まると思っています。最も優秀な人材を世界中からひきつけるのが大事ですね。彼らが成功できるような環境整備も大事です。そうすれば世界中の人々をつなげる良い商品を開発してくれると思っています。
ITの世界では、今年と来年は同じ市場環境である保証がありません。ですので「この技能が優れているから採用する」というやり方ではなく、正しいモチベーションを持ち、人に共感できるような人を採用しています。
2つ目として、プロダクトを通じて成長する企業であること。これは忘れてはいけない点です。当社は広告宣伝費用をあまりかける企業ではありません。代理店を通じてモノを売っているわけでもありません。良いモノを用意すれば口コミで広がっていきますので、そうやって事業を拡(ひろ)げてきたいと思っています。
それには、バランスを取ることが必要です。今の18歳と、5年前の18歳が求めることは違います。変わりゆく世の中に耳を傾けて、拾い上げなくてはいけません。日本でもZ世代の人たちの話を聞く予定を組んでいます。
――トップとしてさまざまな責任を負ってますね。
TinderのCEOになってうれしいことは飛行機の中で話かけられたり、メールが送られたりすることがあるのですが、Tinderがいかに自分の人生を変えてくれたのかを話してくれる人がいることです。
それは自分の仕事には責任が伴っていると感じる時でもあります。今後も長期にわたってTinderが利用され続けると思っていますが、マッチングアプリとして会うべき人に出会える……そういうアプリであり続けなければいけないと考えています。
採用に話を戻しますと、そういうアプリであり続けるためには、顧客担当だろうが、エンジニアであろうが、人のことを気遣う人、配慮ができる人を採用したいと思っています。
――配慮できる人を採用したい……。忖度ではないが、日本的というか、それに近いマインドを感じる。
日本向けに作ろうと思っていたものが、結局、その後に世界展開することがあるので、それが影響しているのかもしれないです。日本からは多くのことを学んでいます。
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