2015年7月27日以前の記事
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シェアハウス不正融資で終わらない、スルガ銀行が抱えるもう1つの爆弾妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(4/7 ページ)

スルガ銀行は、かつてはその収益性の高さから「地銀の優等生」と評されていました。しかしご存知の通り、18年初頭に「かぼちゃの馬車問題」からはじまるシェアハウス向けの不正融資が発覚します。こちらの訴訟は収束が見えてきましたが、実はもう一つ、一棟不動産ローンが火種としてくすぶっています。

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シェアハウス向けローンの貸倒引当金の戻り入れがプラスに

 続いて与信費用を見ていくと37億円増加しており、これも業績悪化に影響しています。

 ではこれは問題の起きたシェアハウス向けの影響なのかというと、そうではありません。むしろ貸倒引当金を大きく積んでいたシェアハウスローンを一括譲渡したことを要因に、202億円ほど利益へプラスの影響があったとしています。

 シェアハウス向けのローンに関しては、スルガ銀行が債権を第三者に売却し、借入を受けている物件オーナー側が第三者にシェアハウスを物納することで借り入れが帳消しになるという解決スキームが取られています。

 なので、スルガ銀行としては貸し倒れを積んでいたシェアハウス向けローンの譲渡が進む中でその戻り入れがあり、利益面では大きなプラスの影響があったということです。

 ではどうして与信費用が増加したのかというと、シェアハウスローン以外の投資用不動産ローンに対する予防的引き当てを361億円計上したためだとしています。貸倒引当金の総額を見てみると、債権譲渡が進むシェアハウス向けは257億円となる一方で、シェアハウス以外の投資用不動産のローンが919億円と非常に大きな額となっています。

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