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沖縄でおつまみに人気の魚「スク」 取れなくなったのはなぜ?:「海のボーナス」なのに(1/3 ページ)
沖縄で人気の魚がなかなか取れなくなっている。魚の名は「スク」。酒のつまみとしても人気のある伝統食は、どうなっているのか。
「今年はスクがなかなか手に入らない。原因を調べてほしい」。こんな取材依頼が本紙に寄せられた。スクとはアミアイゴの稚魚。旧暦6月と7月の1日、15日の大潮の日をピークに県内各地で水揚げされ、季節の風物詩になっている。これを塩漬けしたスクガラスは酒のつまみとしても人気の伝統食。「沖縄の食文化の一つがなくなってしまうのでは」と、依頼者の声に危機感がにじんでいた。
声の主は趣味でスクガラスを作っている沖縄市の港川竹信さん(67)。今年は知人や県内各地の漁港に連絡したが、スクが手に入らないという。幼少期を過ごした東村では旧暦の6月1日や15日になると漁師が船いっぱいにスクを取り、それを集落のみんなで分け合った。
母が作ったスクガラスを家族みんなで頬張った記憶を思い出し、12年前から自身もスクガラス作りを始めた。だが今年はスクを入手できず、「楽しみがなくなり残念」と嘆く。
本紙が奥武島、読谷村、恩納村、勝連、沖縄市、那覇市の漁協に聞くとスクはどこも不漁で「今年だけでなく、数年前から続いている」と説明。那覇港では2021年度の水揚げ量は537.3キロで、18年度の3821.1キロと比べて85.9%も落ち込んだことが分かった。今年度も7月29日(旧暦7月1日)時点でわずか282.0キロにとどまっている。
原因は何か、そしてどんな影響があるのかを調べてみた。(社会部・玉那覇長輝)
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