「ペロシ氏の飛行機撃墜」「安倍氏の死祝う」――企業SNSの“なりすまし被害”やフェイクニュースが増加:コンビニ店がハッキング被害も(1/3 ページ)
ペロシ米下院議長の訪台を機に、SNS上ではフェイクニュースや偽情報が拡散している。台湾ではフェイクニュースを取り上げて事実関係をチェックするNGOが連日、結果を公表して市民に注意を呼び掛けている。偽情報からどう身を守るべきなのか。
ペロシ米下院議長の台湾訪問に中国が反発し、周辺の軍事的緊張が高まる中、SNS上ではフェイクニュースや偽情報が拡散している。台湾のコンビニチェーンや公共機関ではハッキングとみられる障害が発生し、中国が台湾への「情報戦」を強化しているとみられている。情報戦では、日本企業が巻き込まれるケースや、日本で起きた事件がフェイクニュース拡散の発端となったケースもあり、中台双方と交流が盛んな日本企業にとっても、備えが急務となっている。
「ペロシ議長搭乗の航空機撃墜、米側も確認」――。
ペロシ氏が8月2日午後11時45分すぎに台湾・松山空港に到着したその数分後、こんな投稿がTwitter上に流れた。アカウント名は「Yahoo!ニュース」。しかし、アカウントのURLを見ると「@Yqhoo_news」となっている。
実際の「Yahoo!ニュース」アカウントには、Twitter社が本物であることを示す青色の認証済みバッジが表示されており、「@Yqhoo_news」は偽アカウントであることが分かる。
この投稿が確認された翌3日、Yahoo! JAPANは「Yahoo!ニュースを装った偽アカウントが確認されている」と公表。虚偽の情報が発信されているとして、「偽情報にだまされない」「URLにアクセスしない」「リツイートなどで拡散しない」「被害防止のためにブロックする」――といった対応をTwitterユーザーに求めた。
台湾で2018年に開設されたNGO「台湾ファクトチェックセンター」もこの偽アカウントが発信した情報を取り上げ、アカウントの不審な個所などを指摘し、フェイクニュースとして注意喚起を行った。
同センターはこのほかにも、ペロシ氏の訪台をめぐり出回ったフェイクニュースについて10数例の事例を紹介。中国による軍事演習の影響で、航空機のフライトが全てキャンセルされた――などといった偽情報も含まれていた。
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