米アマゾン、@cosmeのアイスタイルの筆頭株主に
化粧品に関する口こみ情報サイト@cosme(アットコスメ)のアイスタイルは、8月15日に米アマゾンと資本業務提携を発表した。アイスタイルが今回発行する新株予約権などをアマゾンが引き受け、筆頭株主となる。
米アマゾンが、アットコスメを運営するアイスタイルの筆頭株主に躍り出た。
化粧品に関する口こみ情報サイト@cosme(アットコスメ)のアイスタイル(東証プライム3660)は、8月15日に米アマゾンとの資本業務提携を発表した。アイスタイルが今回発行する新株予約権などをアマゾンが引き受け、株式転換後に36.95%を保有する筆頭株主となる。今回の第三者割当先はアマゾンの他にも三井物産などが加わるが、合計184億円あまりの調達のうち、アマゾンが約140億円を占める。
アイスタイルはアマゾンとの協業で、「生活者とブランドの新たな出合いを創出していきたい」(アイスタイル吉松徹郎CEO)との展望を打ち出している。
具体的には、Amazon.co.jp 上において「@cosme SHOPPING(仮)」のオンラインストアをオープンし、信頼できるコスメ・美容に関する様々な情報提供、および幅広いブランド・多彩なカテゴリーでの化粧品販売を展開していく考えだ。また三井物産とは、グローバルネットワークの強みを生かし、ネットとリアルを融合した新たな価値を創造していくと表明した。
アイスタイルは、これまで自社ECサイトで@cosmeや、楽天市場で@cosme SHOPPINGを展開している。これらECサイトに、躍進中の実店舗を加えたOMO(オンラインとオフラインの融合)戦略を強めるBeauty Service部門の売り上げが売上全体の63%強を占めている。On Platform部門であるメディア事業の@cosmeは売上比率21%ほどしかない。
同日に発表した2022年6月期の連結決算は、売上高が過去最高の344億円(前年比11.2%増)だったが、当期純利益が前年の3.7億円の黒字から5.7億円の最終赤字となった。新型コロナ影響の長期化で、化粧品業界の景況感は依然として悪い状況が続いたことと、上半期の赤字をカバーするほどに売上高が伸びず、海外店舗の収益性の低下に伴う減損損失を計上したことが影響した。
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