常温で100日保存できる“おにぎり”誕生 どうやって開発したの? 担当者に聞いてみた:3分インタビュー(1/3 ページ)
石井食品と、京都市で“1日100食限定”のステーキ丼専門店「佰食屋(ひゃくしょくや)」を運営するminittsが、常温で100日保存ができる「イシイの佰にぎり」を発売した。その開発秘話とは?
3分インタビュー:
「SNSで話題のあの商品はどうやって開発したの?」「なぜこの会社はこんな取り組みを進めているの?」ちょっと気になっていた企業の“なぜ”をコンパクトに紹介します。
サービスや製品に込めた思いや苦労話など、担当者にしか分からない「裏側」を徹底取材。仕事が忙しくて、じっくりと情報を得ることができない人でも読めるよう、できるだけ簡潔にまとめています。テレワーク中の息抜きや移動時間、就寝前に「3分インタビュー」でサクッと情報収集!
ミートボールなどを製造する石井食品(千葉県船橋市)と、京都市で“1日100食限定”のステーキ丼専門店「佰食屋(ひゃくしょくや)」を運営するminittsが共同開発した「イシイの佰にぎり」が話題だ。
「ん、おにぎり? 『味がおいしい』『具が多い』とかそういうとこでしょ」と思われたかもしれないが、このおにぎり、常温で100日保存が可能で、タンパク質はおにぎり1つに10グラム以上含まれているという。
長期保存が可能と聞くと、「保存料などが入っているのでは?」と感じてしまうが、石井食品のこだわりは“無添加調理”といい、同商品にも添加物は一切使用していない。原材料を見ても「うるち米、食肉、赤ワイン……」とおにぎりの具材のみが書かれているのだ。
透明なパッケージに入った様子はまさに“普通のおにぎり”。唯一違う点は、三角おにぎりではなく“四角”になっていることぐらい。このまま常温で100日保存できるというから驚きだ。佰食屋の人気メニューである国産牛ステーキ丼を再現した「ステーキ丼味」(300円)と「炒飯味」「カレー味」(いずれも250円)の3種を用意している。
なぜ両社はおにぎりを長期保存できるようにしたのか、どのような技術を用いたのだろうか。開発秘話をminitts中村朱美社長、石井食品 素材価値開発部リーダー坂本陽一郎さん、顧客体験デザイン部 広報チーム 兼 ブランド戦略チームの池田明子さんに聞いた。
担当者に聞いてみた
――「イシイの佰にぎり」が人気のようですね。どのようなコンセプトで開発したのですか?
中村: 商品を企画するにあたって一番に目指したのが、賞味期限を長くすることです。コンビニやスーパーで売られているおにぎりって、賞味期限が短いですよね。「フードロスの観点からも、賞味期限切れで処分されるのはもったいない」とずっと思っていました。
もうひとつのポイントは、タンパク質量を増やしたことです。最近では、コオロギ粉や昆虫食も新しいタンパク源として出ていますが、やはり「おいしいお肉で摂取したい」と考える人は多いと思います。そこで、シンプルな食材でタンパク質がしっかりとれるおにぎりを目指しました。1個につき10グラム以上のタンパク質が摂れるラインアップとしています。
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