セブン-イレブンも注力 いつでも約30分で欲しいものが届く「即配」に期待が集まるワケ:石角友愛とめぐる、米国リテール最前線(2/4 ページ)
コロナ禍で急激に需要が増えた宅配サービス。その中でも、最短で10分、平均30分以内という短時間のうちに注文した品を消費者へ届けるサービス「クイックコマース」が注目を集めている。通常のフードデリバリーとはどのように違うのか、どんな事業者が今後クイックコマースを制するのか――石角友愛氏が解説する。
クイックコマースを育てた「パーティ文化とアルコール消費」
もともと米国でクイックコマースが発展した背景には、米国ならではのパーティ文化と、それに伴うアルコール消費のニーズがありました。
特に、若い世代が夜間にパーティを行うとき、突然ビールやつまみが足りなくなることは日常茶飯事です。かといって、配達されるまで1時間も待てないし、パーティーが始まったので買いに行くのも難しい──そんな状況で人気を博したのがクイックコマースのサービスだったのです。
特に、夜中のパーティでお酒が必要になった時には、通常のデリバリーアプリだと営業時間外のお店が多いため、7NOWなどの24時間営業のアプリへのニーズが高まります。実際に、7NOWでもアルコールの配達をしていることをWebサイトの「よくある質問」の冒頭で打ち出しています。
「アルコールは配達していますか?」との質問への回答は「一部の都市では、ビール、ワイン、リカーの配達が可能です! ご住所を入力すると、お住まいの地域でどのようなアルコール飲料の配達が可能かを確認できます。アルコール配送のご注文には、21歳以上であることを確認するための身分証明書のご提示が必要です」。IDを提示することで酒類の注文が可能であることが記載されています。
また、米国のクイックコマース大手にゴーパフ(GoPuff)という会社がありますが、この会社は創業当初、水タバコをオンデマンドで配達するデリバリースタートアップとして成長しました。これも、パーティの際に水タバコを吸う機会がある消費者の、「今すぐ吸いたい」というニーズに着目したことによる成功だと考えられます。
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