2015年7月27日以前の記事
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「セルフレジ」を支持している人は多いのに、なぜスーパーでなかなか普及しないのかスピン経済の歩き方(3/7 ページ)

Yahoo!ニュースとITmedia ビジネスオンラインが共同で企画した調査によると、約8割の人が「セルフレジ」を使っていることが明らかに。その一方で、セルフレジの導入はなかなか進んでいない。その背景に、何があるのかというと……。

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仕事が増えたのに賃金は上がらない

 当たり前だ。これまではレジを打つことが仕事だった人たちが、セルフレジが導入されたことで、機械の操作やエラーが出たときの対処法を新しく覚えなくてはいけない。システムは日進月歩するので、そのたびに新しい知識をインプットしなくてはいけない。

 さらに、これまではレジカウンターで自分自身で商品をスキャンをしていただけだったのに、そこに「初心者に使い方を教える」というレジ打ち以外のスキルも求められるようになる。相手が高齢者などの場合は、丁寧で分かりやすい説明を心がけなくてはいけない。


セルフレジ導入によって課題も(提供:ゲッティイメージズ)

 このようにセルフレジ導入によって、現場で働く人には「新しく覚える仕事」が増えているわけだが、セルフレジを入れたので賃金を上げた、という話はほとんど聞かない。

 イオンやイトーヨーカドーなど大型スーパーならば従業員もたくさんいるので、「セルフレジ専従」をつくる余裕があるだろうが、中堅のスーパーや地域密着型のスーパーは人手不足によって、通常のレジ係が兼務するケースが多く、シンプルに「お金にならない新しい仕事」を増やすだけになっている。

 つまり、中小のスーパーで働く人にとって「セルフレジ」の導入は、業務の負担を減らすどころか、逆に賃金をあげることなく現場の負担を重くしている側面があり、かなりゲンナリするものなのだ。

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