都会から移住、朝食屋に行列 『鎌倉殿の13人』で注目の「鎌倉」で何が起きているのか:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
NHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が話題になっている。鎌倉市では観光客向け施設を出店する動きがある一方で、都会から移住する人も目立っている。
朝食を売りにする店が多い
鎌倉を歩いて気付くのは、朝食を売りにする店が多いことだ。夜は営業していないか、早めに閉まる店が目立つ。
朝食で人気の店の1つ、稲村ヶ崎のヨリドコロは、15年のオープン。午前7時に開店して、藤沢市の干物専門店「丸恵」で扱うアジ、サバ、キンメダイなどの干物を中心とした定食を提供する。元は仕立屋だった古民家を改装した。
現在は行列解消のため、まず店の前で店員に名前と携帯電話の番号を伝えて、席が開けば店員から電話が来るシステムになっている。朝は1〜2時間待ちが当たり前。稲村ヶ崎の海岸の階段に座って、海を見ながら順番を待つ人が多い。
定食の値段は最低でも1300円する。その価格でも、名物・干物の朝食を求めて多くの観光客がやってくる。もう1つの人気の秘訣は、セルフサービスで生卵を卵黄と卵白に分離し、卵白をかき混ぜてメレンゲ状にしてご飯にかける、独特な卵かけご飯にある。ほぼ全員が追加で卵を注文。卵白をかき混ぜるシャカシャカという音が、店内のあちらこちらから聞こえてくる。
お店は江ノ電の踏切のすぐ横にあり、特にテラス席は電車がすぐ席の前を通るので臨場感抜群。鉄道ファンも魅了している。
ヨリドコロは鎌倉駅東口にある「鎌倉野菜」の販売で著名な鎌倉市農協連即売所に、2号店として干物と練物のテークアウト専門店を、18年4月にオープン。こちらも行列が絶えない。
朝食屋コバカバは、17年10月に朝食専門店としてオープン。元々はカバン屋だったが、06年に飲食店に変わり、さらに朝食に特化した。午前7時に開店、午後2時頃に閉店するが、コロナ禍で時短営業していることもある。鎌倉駅に近く、この店でしっかりバランスの取れた朝食を食べて、鎌倉散策に出掛ける人が多い。
具だくさんのみそ汁に五穀米のご飯、漬物、漢方茶、日替わり小鉢がセットになった一汁一菜(800円)が基本。卵かけごはん用生卵、サバの文化干し、焼き鮭などのおかずを付加した定食が6種類ある。
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