円安再加速、144円突破 さらに進むのか反発か?
1ドル140円を超えてから数日落ち着きを見せていたドル円相場だが、9月7日に再び円安が加速。144円を超えた。直近の24時間で4円ほど円安が進んだ。さらなる円安を警戒する声もある中、円高への反転の可能性を示唆する声もある。
1ドル140円を超えてから数日落ち着きを見せていたドル円相場だが、9月7日に再び円安が加速。144円を超えた。直近の24時間で4円ほど円安が進んだ。オーストラリア、カナダ、欧州などで金融政策を決定する会合が続くため、緩和政策を継続する日本に注目が集まった。
さらなる円安を警戒する声もある中、円高への反転の可能性を示唆する声もある。
米国の利上げは、なかなか収まらないインフレへの対処が目的だ。しかし、その要因の1つとなった原油や穀物の値上がりは、ウクライナ侵攻によるロシアへの制裁が原因。経済制裁が通常化すれば、さらなる値上がりの可能性は低い。
「ロシアへの制裁で石油や穀物が値上がりし始めた今年2月ごろから、ちょうど1年が経過する来年1−3月ごろに、インフレと政策金利引き上げは収まるとみている」と、日興アセットマネジメントの神山直樹チーフ・ストラテジストはコメントを出した。
また、日本の金融政策は簡単には変わらない。世界各国と比べるとインフレも穏やかで利上げが必要な局面にはないという見方がほとんどだ。一方で、ちょっとしたショックでも急激な円高に反転するリスクもある。
「長期金利を低く押さえるイールドカーブコントロールは、上限を例えば0.25パーセントから0.4パーセントに上げるかもしれない。この場合、市場が驚くことで、ドル円は130円より円高に戻る可能性がある」(神山氏)
1998年6月に140円台に乗った際は、146円まで円安が進んだ後、10月には3日間で22円も円高に振れ、一時は111円台に突入するという荒い動きを見せた。ドル円の風船が膨らみ続けるかに注目が集まっている。
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