大企業とベンチャー、仕事と遊び、都市と地域 「ボーダーレスな生き方」の驚くべき効果:各界のプロデューサーが語る(1/5 ページ)
領域に捉われずボーダーレスに行動することによって、どんな世界が見えてくるのか。第一線で活躍する各界のプロデューサーたちが語る、仕事と人生を豊かにする生き方とは――。
領域に捉われずボーダーレスに行動することによって、どんな世界が見えてくるのか。第一線で活躍する各界のプロデューサーたちが語る、仕事と人生を豊かにする生き方とは――。
三菱地所と、コワーキングスペース・コーポレートアクセラレーターを運営するゼロワンブースター(東京都千代田)は、個人向け会員制インキュベーションオフィス「有楽町『SAAI』Wonder Working Community(以下、SAAI)」を舞台に、施設横断型・事業創造コミュニティカンファレンス「01 Community Week2022」を6月20日から24日の4日間にわたり開催した。
有楽町SAAIを形作るキープレイヤーによる冒頭のセッションで登壇したのは、地域プロデュース・企業ブランディングなどを手掛けるumari代表の古田秘馬氏、地域ビジネスのプロデュースを手掛けるインターローカルパートナーズ代表の山本桂司氏、屋上緑化、壁面緑化を手掛ける東邦レオ代表の吉川稔氏、コワーキングスペース・コーポレートアクセラレーターを運営するゼロワンブースター コミュニティ開発部ディレクターのブランスクム文葉氏。
約1000人の視聴者の前で、越境人材の重要性と人生を豊かにする働き方を話した。
大企業とベンチャー、都会と地方「ボーダー」を越えた時に起こる面白さ
(写真左から)umari代表取締役/プロジェクトデザイナーの古田秘馬氏、ゼロワンブースター コミュニティ開発部ディレクターのブランスクム文葉氏、東邦レオ代表取締役社長の吉川稔氏、インターローカルパートナーズ代表取締役の山本桂司氏(『01 COMMUNITY WEEK 2022』全セッションは9月末までアーカイブ配信中)
古田 みなさんの中で、ボーダーを越えた時に面白いと感じたことはどんなことですか?
ブランスクム 私は大企業から業界や文化の全く異なるベンチャーに移ったんですが、環境の変化にとても刺激を受けました。大企業は割と分業されているので、とりあえず自分の役割だけをやっていればよかったですが、ベンチャーでは何でもやります。その分、自由に動ける身軽さや面白さを感じています。
そうした中で、自分の価値観もだいぶ変わりました。大企業にいた頃は、「求められている役割で評価されるにはどうしたらいいんだろう?」と考えながら生きていて、成果を出すことに囚(とら)われていました。でも今は「自分が良ければ良し」と思えるようになり、自分を大事にするようになった気がします。「本当に満たされる生き方ってなんだろう」ということを、すごく考えるようになりました。
山本 僕は地域と地域をつなげる仕事をしています。生まれは大阪ですが、都会暮らしが嫌で地方に行ったタイプです。でも、生活していく上での便利さって、都会も地方もそれほど違いがないなと思います。
みんな都会と地方の間にボーダーを引いて、どっちにメリットがあるかって捉えがちですけど、僕の場合、都会と地方というボーダーを越えて「“日本”を仕事にしています」と言った瞬間に、何か新しい世界が開けた気がします。会える人の数も増えて、いろいろなプロジェクトに出合うことができ、今までだったら絶対にできなかったところにたどり着けるようになりました。
吉川 僕はそもそもボーダーがない(笑)。大企業もベンチャーの立ち上げも経験して、金融をやってファッションをやって、今はグリーンインフラの東邦レオという中小企業を経営していますけど、僕の中ではやっていることは一緒なんです。
古田 東邦レオとは、吉川さんが社長になる前から一緒に仕事をしていて、とてもまじめで堅実な会社なんですけど、吉川さんが社長になってから、みんな「新しいことをやろう」という意識に変わったんですよ。吉川さんが社長になって、まずしたことが全員給与削減。その削減した分を、みんながやりたいことに投資することにしたんですよね。
吉川 仕事がない人をつくっちゃうんですよ。で、仲間や社会に貢献したら評価を上げるけど、会社の利益に貢献したら評価を下げる。だって、そんなセコいことやっていたら面白くないじゃないですか。企業利益の最大化はカッコ悪い。だから多分、企業の目的すらボーダーレスにしちゃっている。
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