大企業とベンチャー、仕事と遊び、都市と地域 「ボーダーレスな生き方」の驚くべき効果:各界のプロデューサーが語る(2/5 ページ)
領域に捉われずボーダーレスに行動することによって、どんな世界が見えてくるのか。第一線で活躍する各界のプロデューサーたちが語る、仕事と人生を豊かにする生き方とは――。
有楽町にアート、DJ どれだけ異質なものと出合えるか
古田 文葉さんはゼロワンブースターでSAAIのようなカオスを生み出すためのコミュニティーづくりをしているわけですが、新たなビジネスが始まるためのポイントはどんなところですか?
ブランスクム 場があるだけでは難しくて、そこにいかに熱量のある人を呼び込んで継続させるかが大事だと思います。SAAIは多様な方々を受け入れてネットワークをつないできたんですけど、その中に、ちょっと先のフェーズに進んだ先輩がいてくれると、その熱量の高い人たちに引っ張られて成長していくんですよね。
仲良しクラブではなく、お互いに「何かやらなきゃ」って勝手にプレッシャーを感じて一緒に成長する、そんな場をつくっていくことが、とても大事だと思っています。
古田 山本さんのやっている各地域のプロデューサーをつなげる活動も、地域の中では他にもうやることがないような人たちにとっては刺激になっているんじゃないですか?
山本 そうですね。一つの地域の中でやっていくことには限界があるし評価も一定だけど、全国でつながれば、お互いに刺激し合って新たなバリューをつくることができます。
古田 閉鎖的なコミュニティーだと、価値観がどうしてもヒエラルキー的になってくる。上場したからすごいとか、何店舗もやっているから偉いとか。でも、本来は異質なものと出合うことの方がすごく重要な気がする。
山本 そういう意味で言うと、僕らの場合、売上至上主義ではないプロジェクトが多かったりします。もちろん売上や利益は大事ですが、それをスケールさせることをあまり求めずに、持続可能性であったり、面白さだったり、あるいは新たな価値への再投資を狙うなど、違う評価軸のものが多くなっている気はしますね。
古田 時代が変わる時というのは、必ず多様な評価軸が出てくるもので、だからこそ異質なものと付き合うことが大事になる。吉川さんの会社でも、「グリーンの会社がこんなことやるの?」というようなプロジェクトをいろいろとやっていますよね。例えば「SLIT PARK(スリットパーク)」とか。
吉川 このビル(新有楽町ビル)の隣にある新国際ビルの路地を森にして、毎夜DJが音楽をガンガンかけまくっています。これ、渋谷じゃなくてこういうオフィス街でやるからいいんです。異質なものが共存しているから面白い。
ブランスクム このビルの1階に「ソノアイダ」という、空き物件を活用したアートプロジェクトがあるんですけど、そこでこの前、絵を買ったんです。今までアートとか全く興味がなかったんですが、ソノアイダではアーティストさんが絵の解説をしてくれたり、制作過程を見せてくれたりして、違う言語を手に入れた感じなんです。しかも、その制作過程が何か事業を起こす過程に似ているんですよ。めちゃくちゃ面白いなと思って。
吉川 そういう異質なもの同士の出合いが面白いんです。だから、コミュニティーをつくっても、うまくいき出すと面白くないので、“災い”を起こしたくなるんですよね。
関連記事
- ひろゆきが斬る「ここがマズいよ働き方改革!」――「年収2000万円以下の会社員」が目指すべきこと
平成のネット史の最重要人物「ひろゆき」への独占インタビュー。ひろゆきの仕事観・仕事哲学を3回に分けて余すことなくお届けする。中編のテーマは「働き方」――。 - ひろゆき流「職場に振り回されないメンタル術」 ムカつく上司、バカな同僚は“動物”だと思え!
鋼のメンタル王・ひろゆきが教える、いつでもどこでもマイペースを貫く、逆転の思考法! 職場で「他人を攻撃する迷惑な人」と賢く距離を取り、スルーする方法について3回にわたってお届けする。第1回目は「他人に振り回されないメンタル術」のヒント。 - ひろゆき流「職場の同調圧力」に負けない方法――他人から嫌われない人なんて存在しない
鋼のメンタル王・ひろゆきが教える、いつでもどこでもマイペースを貫く、逆転の思考法! 職場で「他人を攻撃する迷惑な人」と賢く距離を取り、スルーする方法について3回にわたってお届けする。第3回目は職場の「同調圧力」を乗り越える方法について。 - YouTuberヒカル、初の著作を発売 「思考術」「勝ち方」の全てを語る
徳間書店は、人気YouTuberヒカルさんによる初の著書であるビジネス・自己啓発書『心配すんな。全部上手くいく。』を発売する。 - 「これさぁ、悪いんだけど、捨ててくれる?」――『ジャンプ』伝説の編集長が、数億円を費やした『ドラゴンボールのゲーム事業』を容赦なく“ボツ”にした真相
鳥山明氏の『DRAGON BALL(ドラゴンボール)』の担当編集者だったマシリトこと鳥嶋和彦氏はかつて、同作のビデオゲームを開発していたバンダイに対して、数億円の予算を投じたゲーム開発をいったん中止させた。それはいったいなぜなのか。そしてそのとき、ゲーム会社と原作元の間にはどのような考え方の違いがあったのか。“ボツ”にした経緯と真相をお届けする。 - 『ジャンプ』伝説の編集長が、『ドラゴンボール』のゲーム化で断ち切った「クソゲーを生む悪循環」
『ドラゴンボール』の担当編集者だったマシリトはかつて、同作のビデオゲームを開発していたバンダイのプロデューサーに対して、数億円の予算を投じたそのゲーム開発をいったん中止させるという、強烈なダメ出しをした。ゲーム会社と原作元の間にはどのような考え方の違いがあったのか。「クソゲーを生む悪循環」をいかにして断ち切ったのか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.