帝国ホテル(東京都千代田区)は、食品ロス削減の取り組みの一環として、「耳まで白い」サンドイッチ用の食パンを開発した。同ホテルは「食品ロス削減」に取り組んでいて、サンドイッチ提供時に切り落としていた食パンの耳に着目し、10月1日から帝国ホテル 東京のショップ「ガルガンチュワ」で販売するサンドイッチに導入する。
同ホテルのサンドイッチは、見た目の美しさと食感を追及するため、食パンの耳を切り落として提供してきた。切り落とした耳はサンドイッチの具材が付着しているなどの理由で、再利用が難しいため廃棄していて、年間廃棄量は約2.5トンに達している。廃棄がでない食パンを開発するために、「約半年間試行錯誤して、切り落とし・廃棄が不要となる“新食感の白い食パン”の実現に至った」(同ホテル)という。
新たに開発した「耳まで白い」食パンは、従来の食パンに比べて低温でじっくり焼成することで、「よりしっとりとした食感になり、耳まで白くてやわらかいため、耳を切り落とさなくてもサンドイッチとして提供が可能になった」(同ホテル)。
使用するのは「ガルガンチュワ」で提供するサンドイッチだけでなく、今後は他のレストランにも広げていく予定で、そのために製造設備も更新する予定。「2023年度中に『帝国ホテル 東京』で提供する全てのサンドイッチからパン耳の廃棄をなくし、食品ロス低減を実現する見込み」(同ホテル)だという。
4種類の具材をはさんだ定番の「ミックスサンドイッチ」が2268円、パン製のバスケットに4種類のサンドイッチを詰め、フルーツを添えた「ガルガンチュワサンドイッチ」が1万5120円。
関連記事
- ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - なぜ山善の「焼肉グリル」は25万台も売れたのか 開発のヒントが面白い
山善の「焼肉グリルシリーズ」が売れている。第1弾が登場したのは、2020年7月のこと。その後、第2弾、第3弾を投入し、22年7月現在で累計25万台を突破した。なぜホットプレートがこれほどウケているのだろうか。人気の秘密を取材したところ……。 - ウェンディーズは「いま」どうなっているのか わずか1店舗からの“ウルトラC”
都市部を中心に「ウェンディーズ」の店を見かけるようになった。バブル時、100店を超えるほどの勢いがあったチェーン店はいまどうなっているのだろうか。同社の会長と社長を取材したところ……。 - キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
キユーピーが販売している「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」が売れている。食べことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないが、データを見る限り、消費者から人気を集めているのだ。なぜ売れているのかというと……。 - 「世界一勤勉」なのに、なぜ日本人の給与は低いのか
OECDの調査によると、日本人の平均年収は韓国人よりも低いという。なぜ日本人の給与は低いのか。筆者の窪田氏は「勤勉さと真面目さ」に原因があるのではないかとみている。どういう意味かというと……。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.