スノーピークは「法的措置」を準備してはいけない、これだけの理由:スピン経済の歩き方(5/7 ページ)
アウトドアブランドの「スノーピーク」が、怒りのリリースを発表した。同社の山井梨沙社長が「不倫辞任」したことに対して、全く関係のないデマが増えているので、やった人間を訴えると警告しているのだ。しかし、スノーピーク社のスタンスにもやもやしている人も多いのではないだろうか。なぜかというと……。
「アンチ」がたくさんいる
この傾向は最近特に多いらしく、先日もあるアウトドアガイドの人と話をしていたら、「お客さんの中で、高いキャンプ道具自慢をしてくる人が多くなってうざい」とボヤいていた。こちらが使っているギアをチェックしたり、自分が持っているいるギアやキャンプ用品のウンチクを垂れたりするお客さんが多くて、いろいろと口を挟まれることに嫌気がさすという。
一般的なブランドよりも数倍も高額のギアやグッズで周囲を固めるスノーピーカーは、そんな「道具自慢で面倒くさいキャンパー」の代表のようにとらわれてしまっているのだ。
これが筆者の「被害妄想」ではないことは、Googleで「スノーピーカー」を検索していただければ分かっていただけるだろう。「気持ち悪い」「ダサい」「マナーが悪い」「宗教の信者」などネガティブなことを言う人たちのブログや書き込みが山ほど見つけられるはずだ。
このような誹謗中傷やデマというのは、ネットやSNSの世界では以前から存在していた。が、キャンプ市場がそれほど大きくなくて、世間の関心もそこまでではないことで目立っていなかった。
しかし、それが今回、山井梨沙社長の「不倫辞任」が注目を集めたことで一気に浮上した。これまでと同じ悪口でも、「スノーピーク」自体が注目ワードになってしまったことで、そこに引っ張られる形で、アンチの言論まで一緒にメジャーに引き上げられてしまったのである。
そのような意味では、筆者はスノーピークもそこまでこの問題を深刻に捉える必要はないのではないかと思っている。山井梨沙前社長個人に対する人格攻撃や誹謗中傷は厳しく対応すべきだが、スノーピークという企業に対する攻撃は、そこまでブランドイメージの毀損にはつながらないからだ。
実際、ずいぶん前から、ネットやSNSで誹謗中傷したりデマを流したりするアンチはたくさんいたが、スノーピークは16期連続で増収増益している。ポイントカード会員数も右肩がりだ。
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