全国旅行支援の利用者に「5つのお願い」 旅行スタートアップが呼び掛ける理由は?:現場の実情を知って
「全国旅行支援」が10月20日から東京でも始まった。宿泊料金が最大40%引きとなり、多くの人が旅行計画を立てる中、宿泊業界は対応に追われ、悲鳴の声もあがる。こうした中、宿泊業界の現状を知ってもらおうと、旅行関連のスタートアップがホテルスタッフらと共同で「5つのお願い」を作成した。
国の観光需要の喚起策「全国旅行支援」が10月20日から東京でも始まった。宿泊料金が最大40%引きとなり、多くの人が旅行計画を立てる中、宿泊業界は対応に追われ、悲鳴の声もあがる。こうした中、宿泊業界の現状を知ってもらおうと、旅行関連のスタートアップがホテルスタッフらと共同で「5つのお願い」を作成した。
作成したのは旅行計画アプリ「nicody」などを運営する「結.JAPAN」(東京都渋谷区)。全国旅行支援の開始を受け、同社はつながりのあるホテルスタッフらに様子を聞き、現場に大きな負担がかかっていることを把握したという。
「1日に数千件の電話対応に追われてしまっている」「事前に割引適用に必要な準備やルールの確認をせずに現地に訪れ、お客さまとのトラブルが発生し理不尽な要求や罵声を受けている」
こうした声を踏まえ、旅行者と現場スタッフの双方が気持ちよく過ごせるようにと「5つのお願い」を作成・公表したという。
「旅館・ホテル」の人手不足ワースト1位
「5つのお願い」は「知る」「調べる」「応援する」「楽しむ」「シェアする」の5項目からなる。
「知る」の項目では、ホテル業界の実情の周知を図る。帝国データバンクが7月に実施した調査では、「旅館・ホテル」の正社員の人手不足の割合が66.7%と51業種中ワースト1位だった。こうした実情を踏まえ「最低人数で現場対応を行っています」と呼び掛ける。
「調べる」の項目では、全国旅行支援が自治体ごとに制度が異なるため、自身で制度の内容を事前に調べるよう促す。「3分程度の行動で多くのホテルスタッフが救われます」と記す。このほか「ありがとうの一言が現場の励みになる」とし、ホテルスタッフへの応援を呼び掛けている。
同社の中山雅久理・代表取締役は「少しでも多くの旅行者やホテルスタッフの方に知っていただき、シェアや拡散をしていただくことで気持ちよく旅行を楽しめる日本社会を実現していけたら幸いです」とコメントしている。
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