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冷蔵庫の在り方を変える――日立の新コンセプト冷蔵庫「Chiiil」を生んだ、開発担当者のある"予感"とは?:使い方も、冷やし方も自由(2/4 ページ)
「カラーバリエーションが多いのがいい」「寝室やリビングにちょい置きしても違和感がない」「棚と並べて置きたい」――日立グローバルライフソリューションズ(東京都港区)が開発した冷蔵庫「Chiiil(チール)」が話題となっている。
奥行き420ミリメートルのワケ
一般家庭のキッチン以外の場所に、置いてもらえる、置きたくなる冷蔵庫とはどういうものなのか。小川さんは、冷蔵庫=家電という固定概念を捨て、設置場所を選ばず、さまざまな空間に調和する家具のようなたたずまいを追求することにした。
まず大きな課題となったのがサイズだ。世の中にはすでにビジネスホテルに備え付けられているような小型の冷蔵庫が数多くあり、ただ小型化しただけでは差別化を図ることはできない。そこで小川さんが着目したのが、壁や一緒に並べて置く家具とのバランスだ。
「コンパクトであることは大前提ですが、大きすぎても小さすぎても、冷蔵庫だけが浮いてしまうことになります。家具のようなたたずまいを実現するサイズを手探りで検証し始めました」(小川さん)。そこで、棚や机などいろいろな家具のサイズを調べ上げるとともに、壁際に設置した際に邪魔にならないギリギリの奥行きを検証。その結果、奥行きは420ミリメートルがベストであると突き止めた。
高さは、何かモノを置くのにちょうどいい背の高さである750ミリメートルで設計。こうしてある程度方向性が見えてくると、今度は実寸大の模型を作り検証を重ねた。「頭の中だけ設計していくのと、実際に作ってみるのでは大きく違います。置かれているときの状態や印象、たたずまいを見て、また議論して模型を作って……をひたすら繰り返しました」(小川さん)
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