職場の「幸せアピールが止まらない」同僚に悩んでいます 対処法を専門家が解説:働く女の“いらいら”(3/3 ページ)
職場の人間関係の中で“面倒くさいコミュニケーション”に巻き込まれた経験はありますか?今回は、職場の「幸せアピールが止まらない」同僚に悩む女性の事例をもとに、対処法を解説します。
「職場の人間にSNSを聞かれたら断れない」 どのように行動すべきか
以前、職場の人たちとつながるためにSNSのグループに登録したところ個人情報が漏えいし、トラブルになったという相談がありました。また、SNSでのやりとりでフランクになりすぎて、仕事自体がやりづらくなったというお話もありました。過去のトラブルがきっかけで、SNSでのやりとりは一切禁止になった職場もあります。SNSではセキュリティが保たれないため、個人情報の取り扱いには慎重にならなければなりません。職場の人間とSNSの交換をする際は、事前にリスクヘッジを行うことが大切ですね。
京子さんの話にもあったように、「職場の人間にSNSを聞かれたら断れない」という話もよく聞きます。そういう人は自分のなかで、SNSについての明確なルールを決めておくと良いです。例えば、私は、職場の人とはSNSではつながらない、またはつながったとしても、ストレスにならない距離感を決め、「境界線」をしっかり設けるなどです。また、SNSを聞かれた時を想定し、自分の中で具体的な返答を準備しておくと良いでしょう。
「仕事とプライベートは分けたい」「趣味のSNSグループにたくさん入っているので、これ以上増やしたくない」など、やんわりと断る勇気も必要です。マイルールを明確にし、具体的な返答を準備しておきましょう。
職場の人間とのSNSで覚えておきたい“教訓”
相手との「境界線」をしっかり引くこと。これこそが、教訓といえます。まず、自分の個人情報をどれくらい知らせても大丈夫なのか、また、相手のこともどの程度知ることが互いの関係性において心地よい距離感なのか、しっかり吟味しましょう。そして、距離感を含めた相手との「境界線」を、自分なりに明確に引くことが重要です。この境界線は、気付いたら超えてしまっていたなど、実に曖昧になりがちです。
情報を与えないことは相手と境界線を明確に引くことにつながります。自分の趣味については知られても良いけど、家族のことは知られたくない。休日の過ごし方など、プライベートなことには踏み込まれたくないなど、まずは自分の心地よい距離感を見つけ、境界線を明確に引きましょう。これこそが、心身の健康を保ちつつ、円滑にコミュニケーションをとるための教訓です。
川村佳子(かわむら・けいこ)
北海道生まれ。一般社団法人日本産業カウンセラー協会認定「産業カウンセラー」。日本人間性心理学会所属。上智大学グリーフケア研究所所属。防衛省、国土交通省、財務省をはじめ、国立機関や一般企業にて産業カウンセラーとして臨床経験を積み、現在航空自衛隊外部カウンセラー。幼少期に母が他界。亡母が闘病中に書き記していた日記を見つけ、職場での人間関係の悩みやストレスを驚くほど抱えていたことを知る。さらに、日本で初めてカウンセラー制度を導入した機関にて母が勤めていたことをきっかけに、職場のストレスや人間関係の悩みを抱えている方たちの力になりたいと強く思い、産業カウンセラーを志す。また、死別の苦しみや痛みをケアする「グリーフケア」の普及啓発にも積極的に取り組む。心理臨床オフィス「サクラメント函館東京カウンセリングオフィス」代表。著書に『嫉妬のお作法』『女子ボスのトリセツ』(フォレスト出版)がある。
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