「そんなに上がるの?」電気料金39%値上げ、沖縄の経済はどうなる:節約も限界(1/2 ページ)
沖縄電力が、標準的な家庭で1カ月当たり3473円もの負担増になる電気料金の引き上げ申請を発表した。生活困窮者は「これ以上切り詰めようがない。どうすればいいのか」と悲鳴があがった。
沖縄電力が、標準的な家庭で1カ月当たり3473円もの負担増になる電気料金の引き上げ申請を発表した28日、県民からは驚きや不安の声が上がった。食料品などの物価上昇も続く中、生活困窮者は「これ以上切り詰めようがない。どうすればいいのか」と困惑した。一方、企業もコスト増を懸念し、価格転嫁に頭を悩ませている。(社会部・島袋晋作、當銘悠、普久原茜)
これ以上の節約は思い付かない
「そんなに上がるの?」
本島南部で中学生の娘と息子を育てるシングルマザーの40代女性は値上げ申請の知らせに驚き、ため息をついた。
精神障がいがあるため働けず、1カ月約15万円の障害年金が頼りだ。できるだけ安い食材を買い、ガソリン代を節約するため車にも乗らないようにしてきたが「これ以上切り詰めようがない。どうしたらいいの」と苦しい胸の内を語った。
県によると、モノ・サービスの小売価格の変動を表す「消費者物価指数」は今年の春から急上昇。2020年を100とした場合、10月の県の総合指数は104・6となった。
那覇市内で年金と生活保護を受けながら1人で暮らす60代の女性は、さらなる負担増となりかねない今回の値上げ申請に「どこまで追い詰めるのか」と憤る。
年金などの受給額が徐々に減る中、節約のため電気をつけずに料理をしたり、外灯を頼りにお風呂に入ったりしてぎりぎりの生活を送っているという。
この女性は「これ以上の節約は思い付かない。行政はどうにかしてほしい」と切実に訴えた。
夫婦共働きで2人の子を育て、現在3人目を妊娠中という本島中部の30代女性も「値上げは痛い」と吐露する。「これからどうなるか分からないので、冬のボーナスは貯金に回すしかない。外食も旅行も我慢」と淡々と話した。
関連記事
- ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。
Copyright © The Okinawa Times All rights reserved.