コラム
「香りを漂わせるマシン」が登場 人の行動を変えられるのか:週末に「へえ」な話(3/3 ページ)
「プシュー」という音がするたびに、香りが漂う装置が登場した。嗅覚を刺激することで集客効果を高めていくそうだが、人の行動を変えることができるのだろうか。装置を開発した社長に話を聞いたところ……。
商機はあるのか
劇場やライブ会場などで、郡さんは香りを漂わせてきた。その実績を受けて、どのような変化があったのだろうか。「自販機の横に設置したい』『スーパーの店内で香りを漂わせたい』といった声が増えてきました。人感センサーを搭載した装置を完成させたわけですが、デジタルサイネージと組み合わせることで、目と鼻から訴求できるのではないか。このようなことを考えていて、現在は新たな開発を進めています」(郡さん)
アンビセントはまだ実用化されていないが、どのようなシーンでの使用が考えられるのか。冒頭で紹介したようなパンケーキの香りは、カフェのサンプル付近だと相性がよさそうだ。焼き肉の香りもかがせてもらったところ、確かに肉を焼いたときの香りがした。となると、店の看板付近での設置が考えられる。
ここ数年、ラーメンやギョーザなどの自販機が増えているが、そこに設置すると購買率が上がるかもしれない。大型の商業施設には、フロアマップをデジタルサイネージで表示しているところもある。「この飲食店に行きたいなあ」と思ったときに、その場所をタッチすれば、店の料理の香りが漂う……といった使い方も考えられる。
まだまだ未開拓の分野なので、消費者にウケるかもしれないし、ウケないかもしれない。未来のことは誰にも分からないが、同社の関係者は「そこに商機がある」と嗅ぎ分けているに違いない。
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