ニュース
登山人口は減っているのに、登山アプリ「YAMAP」が成長するワケ:有料会員率20%(3/5 ページ)
コロナ禍の影響で登山人口が落ち込んでいる。こうした状況にもかかわらず、登山地図アプリ「YAMAP」のダウンロード数は340万件で、有料会員率は20%ほど。なぜ成長を続けているのかというと……。
ユーザーと一緒にサービスをつくる
ヤマップでは、ユーザーはお客様というより一緒にサービスをつくっているパートナーのように捉えている。そんな考え方もまた、ユーザーに支持される理由かもしれない。
「ユーザーさんとの関係性は初期から大事にしてきました。改善案などの意見を直接僕らに伝えてもらえるような機能を設け、その意見を取り入れながらアップデートを重ねています。ユーザー数が増えてからはデータ分析を行い、定量的に見て優先順位を考えながら機能改善をしています」(春山氏)
ユーザー属性は40〜50代が最も多く、男女比は6.5:3.5ほどで男性が多い。古いデータではあるが、総務省統計局が発表している11年の「登山・ハイキングを行った人の状況」では、日本の登山人口は60代を中心とした分布となる。それと比較すると、ヤマップのユーザーは20歳前後若い層に偏っている。
春山氏によれば、コロナ禍のユーザー属性の変化として、若年層が増え、同時にソロ登山を楽しむ人も増加しているという。
同調査によれば、コロナ禍で登山人口は落ち込んでいたが、22年の夏にいたっては登山をするために移動した距離が19年と同じ水準に戻っている。ただし、山小屋が宿泊人数を減らして対応していたり、完全予約制になっていたりすることが影響してか、2500メートル以上の高山に行く登山者の割合は、いまだコロナ前の水準に戻りきっていないそうだ。
関連記事
- ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.