海外で「給料上げろ」の声が広がっているのに、なぜ日本では聞こえてこないのか:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
海外で「賃上げストライキ」が増えている。世界的な物価高を受けて、多くの国で労働者が怒りの声を上げているのに、なぜ日本ではそうした動きがでてこないのか。背景を探ってみると……。
世界的な物価高を受けて、多くの国で労働者たちが「正当な賃金を払え」という怒りの声を上げている。
12月9日、ロイターが報じたところによれば、オーストラリアでアップル社の従業員約200人が賃上げなどを求めて1日半のストライキを行う準備をしているという。
8日には米ニューヨーク・タイムズの労働組合が賃上げなどを求めて24時間のストライキに踏み切った。1100人超の従業員が賛同しており、同社によれば約40年ぶりの規模になるという。また11月には、米スターバックスで初めて従業員約2000人が100店舗以上でストライキを起こした。
英国では、空港で入国審査などを担当する職員らが賃上げを求めて、年末の大型連休に合わせ、ストライキを実施することになった。また、看護師らの労働組合も賃上げを求めて、12月15日と20日にストライキを実施する。組合によれば、これは英国の公的医療制度(NHS)史上最大規模のストライキとなる見込みだという。
フランスでも11月16日、パリの有名百貨店「ギャラリー・ラファイエット」でクリスマスツリーの点灯式をしたところ、賃上げを求める労働団体のデモ隊が乱入し「ハッピーじゃない」「給料を上げろ」などと絶叫した。
お隣の韓国でも「給料上げろ」の大合唱だ。11月24日、韓国の労働組合・全国民主労働組合総連盟の貨物連帯が無期限のゼネラルストライキに入った。約2万2000人のトラック運転手がストに参加したという。
そんな中で、ストライキはおろか賃上げを求めるデモもあまり盛り上がらず、労働者から「正当な賃金を払え」という怒りの声が、諸外国と比べると明らかに少ない国がある。そう、われらが日本だ。
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