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TikTokの新戦略と、抗戦するアマゾン 奪い合う「動画を見て衝動買い」の市場石角友愛とめぐる、米国リテール最前線(1/6 ページ)

米TikTokが、ブランドやインフルエンサーの動画からすぐに商品を購入できるソーシャルコマースに参入した。米国内で物流や倉庫関連の求人を拡大し、本格的にこの事業に取り組む姿勢が見える。これに対抗するのがアマゾンだ。アプリ内でTikTokのように短編動画や写真をフィードできる機能を開発し、導入を進めている。両社がシェア拡大を狙うソーシャルコマース市場の魅力と展望とは?

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 今回は、TikTokが米国で参入し、話題になっているソーシャルコマースについて考察したいと思います。


米TikTokがソーシャルコマースに参入した(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 初めに、ソーシャルコマースとは何かを解説します。ソーシャルコマースとは、SNSのプラットフォーム上においてブランドやインフルエンサーのページから直接アプリ内で商品を販売する形態を指します。

 SNSがきっかけで商品を購入したくなった際に、通常ですと見ていたページを一度離れてアマゾンなどのECアプリやブラウザを立ち上げ商品を検索、購入する必要があります。一方、ソーシャルコマースの場合、ユーザーは購買意欲が沸いたその瞬間に見ていたSNSの画面内で商品を購入し、すぐに元のページに戻ってこられる点が特徴です。

 つまり、商品の認知・発見・調査・企画・会計という全てのカスタマージャーニーが1つのSNS上で行われるため、一貫性と利便性を伴う新しいタイプのEC体験ができるようになるのです。米国では現在、主にFacebookやInstagram、PinterestといったSNSで取り入れられています。

 コンサル大手のアクセンチュアのレポートによると、ソーシャルコマースは今後4年間、従来のEコマースの3倍の速さで成長すると推定されています。そして、2025年までに全世界で1.2兆ドル(約176兆円)規模の市場となり、Eコマースの支出全体の16.7%を占めるようになるだろうとも書かれています。まさに、大きなイノベーションが起こる領域と言っても過言ではないのです。

 そして、この大きな市場に参入し、今後けん引していこうとしているのが、TikTokです。

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