「パパとママ」の声を完コピ! タカラトミーの読み聞かせスピーカーが話題に:あの会社のこの商品(1/5 ページ)
タカラトミーはAIを活用した読み聞かせスピーカー「coemo」を開発した。小さな子どもを寝かしつける前に親が行う昔話や童話の読み聞かせにもAIが使われるようになったが、一体どのような思いから開発に至ったのか? 開発担当に話をうかがった。
AIを活用した商品やサービスがいろいろ登場している。玩具の世界も例外ではない。
最近、AIを使ったことで話題になった玩具が、タカラトミーの「coemo(コエモ)」(1万2980円)である。
2022年9月に発売した「coemo」は、子どもを寝かしつけるときに活用する読み聞かせスピーカー。AI音声合成技術を活用して、家族の声とそっくりな合成音声で童話などを読み聞かせる。
外部の評価も高い。すでに「日本おもちゃ大賞」エデュケーショナル・トイ部門 大賞、「キッズデザイン賞」 特別賞(TEPIA特別賞)、「ベビーテックアワード」子どもの遊びと学び部門 大賞を受賞している。
親子が触れ合う時間を楽しい時間に変える
「coemo」は従来の枠にとらわれることなく、遊びを創出できることを目的に20年末に企画がスタートした。開発を担当したベビー・エデュテイメント事業部企画開発課 課長の五島(ごとう)安芸子さんは企画の経緯を次のように話す。
「私にも子どもが2人いますが、子育て中の社員と話していると、子どもが寝る前に絵本の読み聞かせ時間を大切にしている人が多いと感じました。親と子どもが触れ合う時間を、大変な時間ではなくもっと楽しい時間に変えられる何かができたらいいなと思ったのが、『coemo』を発想した原点になります」
新たな玩具を検討する中で活用できそうな新技術をいろいろ探していたところ、音声合成技術が目に止まった。この点も「coemo」の企画につながった。
音声合成技術を持っている企業に打診し、「coemo」で実現したいことが可能かどうかを相談。比較検討の末、スマホアプリ「コエステーション」で手軽に合成音声をつくることができるコエステの技術を採用することにした。
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