3年で売上10倍! 過熱する「マウスピース矯正」市場で、Oh my teethが成長しているワケ:未来の歯科体験(4/5 ページ)
「費用が高い」「通院が面倒くさい」など、デメリットが目立っていた歯科矯正市場が近年、様変わりしている。新たなトレンドとして認知され始めたマウスピース矯正が市場規模を拡大させているのだ。創業から3年で売り上げを10倍に伸ばした「Oh my teeth」を取材したところ……。
なぜ男性ユーザーに選ばれるのか
19年の創業からオー・マイ・ティースは成長を続けている。22年の伸びは顕著で、売り上げが前年比354%となった。市場全体では女性ユーザーが多いと予想されるが、同社は6〜7割が男性ユーザーである点も興味深い。
競合2社のWebサイトを見ると、女性モデルを押し出してPRしているのに対し、オー・マイ・ティースは男性モデルの露出が目立つ。
「Webサイトなどでの見せ方はユニセックスを意識していますが、初期は20代前半の女性がメインターゲットでした。しかし、『通わずに矯正できる』と打ち出して興味を示したのは男性ばかり。初期はほとんど男性ユーザーでした」(西野氏)
男性ユーザーに選ばれやすい理由として、「効率重視、かつゲーム感覚で進ちょく管理できる体験設計などがマッチしたのではないか」と西野氏は話した。男性ユーザー数は20年から22年で3倍以上に伸びており、その多くが「紹介」によるものだ。
「特に同僚からの紹介が目立ちます。メンズ脱毛などもそうだと思うのですが、周囲にチラホラとマウスピース矯正を始める人が増えてきて、連鎖的に広がっている印象です」(西野氏)
地方在住者や60歳以上の高齢者の反響も想定以上だった。現在、約4割のユーザーは東京と大阪以外の地域に在住しており、出張のついでに来店する人も多い。高齢者のユーザーは20年から22年で4.8倍に増えた。「通えない」とか「この歳で今さら」とか言い訳してあきらめていた人たちが、通わなくていい気軽さから行動を起こしたわけだ。
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