「学歴フィルターは努力の結果」と思い込んでいる人が知らない、残酷すぎる真実:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/4 ページ)
企業が否定しても、学歴フィルターは存在する。「学歴は努力の結果で平等だ」と考える人もいるが、果たして本当にそうなのだろうか。日本の就活のいびつさの背景にあるものとは──。
またもや「学歴フィルター」問題がクローズアップされる“事件”が起こりました。
「その他大学○○様 こんにちは。JR西日本 車両系統 インターンシップ事務局です。弊社のインターンサイトへご登録いただき、誠にありがとうございます」──。学生とおぼしきユーザーが、JR西日本から送られてきたインターンシップに関するメールの一部をTwitterに投稿したのです(現在、投稿は削除)。
JR西日本は、学校名の登録されていない学生がシステム上「その他大学」と登録される仕様だったとして、学歴フィルターを否定。メール送信のプロセスに不備があったとし、「不快な思いをさせてしまい申し訳ない」と謝罪をしました。
ですが、学歴フィルターなるものは確実に存在しています。
センシティブな問題なので、正確にいうと「JR西日本にある」のでなく、多くの企業が「欲しい学生」を手っ取り早く捕まえるために、「大学名」で選別しているという事実は、確実に存在しています。昔から。はい、かなり昔からです。
高度成長期には、多くの大企業が「指定校制度」を実施していました。これは企業が求人を行う大学を指定し、そこの学生のみエントリーを受け付けるという制度です。また、就職協定を破って、抜け駆けで優秀な学生に内々定を出す「青田買い」も横行していました。
ですから、青田買いの対象にならない学生たちが、10月1日の解禁日に早朝から「目指す企業」に長蛇の列をつくるのが風物詩になった。その様子はかなり異様で、海外メディアが取材にくることもあったほど。世界から“まるで国葬”と怪奇のまなざしを注がれている、黒づくめの就活会場と異様さは同程度だったかもしれません。
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