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EMI Records敏腕レーベルヘッドに聞く、音楽アーティストと部下の魅力を引き出すマネジメント術異才を見いだす「育てるマネジメント」(4/5 ページ)

元吉本興業敏腕マネジャーが、若手からキャリアの長いアーティストまで間近に接するEMI Recordsの岡田武士氏と対談。アーティストの成功を引き出す方法や、部下のマネジメントなどについて話を聞いた。

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岡田氏:: つらそうにしない、ですかね(笑)。管理職の仕事って、楽しいことも多いけど、つらいことも多いじゃないですか。でも、どんなにつらくても部下の前ではその姿を見せないように気を付けています。

佐藤氏: それはなぜ?

岡田氏: 上司が険しい顔をしていると、話しかけづらいじゃないですか。上司の機嫌によって、部下の発言の機会を奪ってはいけないなと。後は、いつも楽しそうにしていると、部下に限らずいろんな人が集まってくるんですよ。制作サイドやアーティストサイドにも、「この人と組んだら楽しそう」と思ってもらいやすい。誰だってつらそうなところよりも、楽しそうなところに行きたいですからね。


部下の前では、極力つらそうにしない

佐藤氏: ただ、「つらいときもつらくないふりをする」のが良いと分かっていても、うまくいかない人は多いはず。なぜ岡田さんはそれができるんでしょう?

岡田氏: それこそ、対アーティストの仕事が長いからかもしれないですね。アーティストのやりたいことを実現させるには、まずはアーティストの心の動きに敏感にならなければいけない。今何を考えているのか、どうしたら思っていることを話してくれるのかを考える癖がついているんだと思います。

佐藤氏: 確かに、ピリピリしている担当にはアーティストも話しかけづらい。仕事柄、話しやすい空気作りに長けている人が多いんですね。

岡田氏: そうかもしれません。多くの人が対アーティストの仕事を経験しているから、自然と共通言語ができているというか。仕事でもプライベートでも、周りに気を遣える人が多いですね。

佐藤氏: 僕も吉本にいたとき先輩たちから言われたことを思い出しました。「相手が何を考えているか察しろ、先読みして動け」って。仕事だろうが何だろうが、結局それが人付き合いの本質なのかもしれないですね。


察して、動くのが重要

 ただ、周りにいる全員が、察することができる人ばかりではないじゃないですか。そういう人がチームにいるときはどうするんですか?

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