“時短したい”若者の「タイパ」信仰が中高年にも!? 2023年も「倍速消費」がさらに拡大しそうな理由:動画を早送り(2/4 ページ)
「失敗したくない」「時短したい」若者が使っていた「タイパ」。この考え方が他の世代にも広がってきた。2023年の消費トレンドにどういった影響があるのか?
増えるタイパ重視の商品・サービス開発
ファストフードやファストファッションなど、世の中にはタイパ重視の業態はすでに数多く存在しています。しかし、最近では今まで以上に、タイパ消費を意識して、「時間効率」を深堀りした商品やサービス、業態開発が激増していることに気付きます。
コンテンツを手早く視聴したいというニーズに対応するため、「YouTubeショート」といったショート動画のコンテンツ数が異常に増えています。
また、小売業や家事代行サービス、フィットネスなどのサービス業にまでタイパ消費の考え方が広がっています。
商品開発でもタイパが重視されています。冷凍食品や「Yakult1000」の爆発的ヒット、また時短につながる家電製品など、食品関係のタイパ商品も増えています。
キッコーマンの堀切功章会長CEOも日経産業新聞のインタビューで次のように発言しています。
「消費者が価値を見いだすのは、おいしさに加えてタイムパフォーマンスだ。健康・簡便・時短がキーワードになる。『うちのごはん』シリーズはフライパンなどで短時間におかずができるコンセプトで展開しており、消費者のさまざまな要望に応えられるように商品数を増やしている」(出所:「キッコーマン会長、『タイパ』で克つ 時短商品に力」日経産業新聞22年12月19日)
「電子レンジでの簡単3ステップ調理で、香味ねぎダレふっくらチキンが作れます」といった点が「うちのごはん」シリーズの売りです。ねぎ、生姜、にんにく、玉ねぎの具材が入っているので、用意するのは鶏もも肉1枚でいいというタイパ商品です。今は夫婦共働きが当たり前となり、食事を作る時間もなかなかとりづらい世の中。それでもおいしい食事を食べたいというイマドキの消費者の心をつかんだ同社のヒットシリーズです。
このように、これからの商品・サービス開発にとってタイパは欠かせないキーワードです。
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