「The Model」からインサイドセールスの必要性を考察
インサイドセールスをうまく機能させている企業の代表格は、セールスフォースです。
同社は14年から22年の8年間で年平均成長率26%という驚異的な成長を遂げています。この成長の起因となったのが、マーケティングと営業のプロセスを科学的に磨き、出来上がった「The Model」と呼ばれる仕組みです。
そして、このマーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセス(製品導入後の顧客の成功を導く役割)が分業しつつも共業する仕組みの中で、特に支えとなっているのが、前回解説したマーケティングオートメーション(MA)であり、インサイドセールスだと私は見ています。
MAの登場により、高度なリード管理と顧客への対応が自動化できるようになりました。このMAを活用して営業効率を高め、顧客接点上でも重要な役割を果たすのが、インサイドセールスです。
顧客の状況を想像して求めている情報を準備し、最適なタイミングで届けることができれば、購買体験はより素晴らしいものになります。インサイドセールスは顧客の最も近くにいる組織として、常に顧客に寄り添いながら、それぞれのニーズや状況の変化を捉えることが可能です。そしてそれをマーケティングや営業、カスタマーサクセス、さらには製品担当などの各部門にフィードバックすれば、顧客の購買体験における満足度向上につながります。
さらに言えば、インサイドセールスは営業への商談供給の調節弁ともなります。営業部門の処理能力を勘案しながら適切なパスを出すことで、営業活動の質のみならず量の最大化を実現し、さらなる売り上げ拡大へとつなげることができているのです。
このようにMAとインサイドセールスを中核とした強固な組織を構築したセールスフォース・ジャパンには、インサイドセールス立ち上げに関して年間500件以上の相談が来るほどで、まさにモデルケースとなっています。
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