ドンキの「光るスピーカー」はなぜ売れているのか “青い光”が見えてきた:水曜日に「へえ」な話(3/4 ページ)
ドン・キホーテで販売している「光るスピーカー」が売れている。最大の特徴は、なんといってもピカピカと「光る」こと。「音楽を聴くのに、照明なんていらないでしょ」と思われたかもしれないが、ターゲットにはササっているようで……。
最も売れているスピーカー
開発までの経緯がやや長くなってしまったが、販売状況はどうなのか。グラブシリーズには、5つの種類がある。LEDリングが1つのモノ、LEDリングが2つのモノ、スピーカーが2つあるモノ、横幅が32センチあるモノ、縦が62センチあるモノ――。この中で最も売れているのは、どれだろうか。
「コンパクトなモノがいいなあ。最も小さいのはLEDリングが1つしかないし、せっかくだからリングが2つのモノを買う人が多いのでは?」と感じられたかもしれないが、実は縦62センチのモノである。
この結果には、小川さんもびっくりだったようで。「海外では高さのあるスピーカーを目にすることがありますが、日本ではあまり売れていなくて。大きすぎるのは苦戦するのではないかと思っていましたが、想定外の売れ行きに驚きました。アウトドアを楽しむ際に、持ち運んでいる人が多いのかもしれません」とのこと。
22年12月の数字(約3000台)をみると、縦62センチのスピーカーは850台も売れたようで。一方、低空飛行が続いているのは、スピーカーが2つあるタイプ。動きが鈍い原因として、小川さんは「スピーカーが2つのモノよりも、1つのモノを好む傾向があるのかも。持ち運びが楽ですし、場所もとりませんからね」と分析している。
その昔、一人暮らしを始めようとしたとき、家電量販店に足を運んで、電化製品をひと通りそろえたことがある人も多いはず。テレビ、洗濯機、冷蔵庫、電話、そしてコンポである。しかし、いまは違う。電話やテレビがなくてもスマホがあれば十分という人が増え、CDの売り上げが減少していくとともに、音楽はBluetoothスピーカーで聞く人が主流になりつつある。
そういえば、80年代に「コンポ」を販売して、売り上げを伸ばしていたオンキヨーが、22年に自己破産していたっけ。コンポのような形態は、Bluetoothスピーカーにも及んでいるようで、「2つのスピーカーよりも1つのほうがいい」といった時代になりつつあるようだ。
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