「こんなものまであるの!?」で大ヒットの冷凍自販機「ど冷えもん」 パチンコ店の意外なニーズとは:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
冷凍自動販売機「ど冷えもん」が売れている。販売台数が2022年10月末までに5000台を突破。支持される理由は「非接触」以外にもあった。
さまざまな形状の容器に対応
サンデンRSが冷凍自販機を開発しようと考えた背景にあるのは、核家族化の進行による個食のマーケット拡大と、冷凍食品の好調な売れ行きだ。同社は、コンビニの冷凍・冷蔵のショーケースをメインの事業としており、その技術を応用した。
コロナ以前から冷凍自販機の開発に着手していたが、コロナ禍を受けてリリースを急いだ。テレワークの普及により、間違いなく求められている商品だと確信したからだ。
当初は飲料メーカー向けの商品と同じく、食品メーカーに向けたB2Bの販売を考えていた。しかし、飲食店の顧客が激減している状況を見て、冷凍自動販売機で飲食店を支援できないかとターゲットを変更した。また、給食の事業者もステイホームで、社員食堂や学生食堂の売り上げが激減して、苦境に立たされていた。
一般消費者向けの商品開発は、同社としても初めてだった。
飲食店の店主や顧客にも親しみやすいように、商品名を「ど冷えもん」と命名。店の外などに冷凍自動販売機を設置すれば、自粛による営業時間の短縮や休業で、店が閉まっている時にも、無人で商品を売るチャンスが生まれる。
ど冷えもんの特徴は、業界で初めて多種多様な容器の形状に対応できる、マルチストック方式を採用したことだ。4種類の棚を自由に組み合わせることで、従来の自販機では販売が難しかった大型の冷凍食品も扱えるようになった。大きさの異なる商品を1台で販売することが可能だ。
従来品では、対応する商品がアイスクリームのような小型カップしかなかった。
また、液晶タッチパネルを採用。スマートフォンのような簡単な操作で商品の選択ができるようにした。
拡張機能のオプションとして、「サンデンRSクラウドサービス」のネットワークを通じて、遠隔監視が可能。売り上げ状況の把握、在庫確認ができ、効率的なオペレーションを実現した。
決済も、交通系やコンビニなどの電子マネー、各種ペイのQR決済といったキャッシュレスにも対応できるようになっている。
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