開発中に「びっくりドンキーらしさがない」の声も “唯一無二”の卵かけご飯が生まれた経緯:朝食を強化(1/2 ページ)
ハンバーグレストランではモーニングメニューとして「卵かけご飯」を提供している。朝食需要を取り込むのが狙いだ。開発の経緯を担当者に聞いた。
ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」は2021年10月、モーニングメニューとして「卵かけご飯」(330円)の提供を開始した。販売に至るまでにさまざまな議論を重ねてきた結果、「びっくりドンキーでしか食べられない唯一無二の『卵かけご飯』が誕生しました」としている。開発の背景を運営会社であるアレフ(札幌市)の担当者に聞いた。
卵かけご飯には、みそ汁とハンバーグにかける「オリジナルハンバーグソース」がついている。ひき肉のうまみを感じるしょうゆベースのオリジナルソースだ。担当者は「卵かけご飯に合う量を検討した結果、ハンバーグディッシュより多い量としています」と説明する。朝食メニュー全注文数に占める卵かけご飯の注文数は5.4%だという(22年11月25日〜23年1月8日の集計)。
卵かけご飯を開発したのは、モーニングメニューを強化するためだ。コロナ禍の影響で店内飲食のニーズが社会全体で減少する一方で、朝食の需要が高まっていると同社は分析。今までびっくりドンキーを利用したことのない層を取り込む狙いもあった。
20年4月、宮城県の7店舗で午前8時に開店し、モーニングメニューの提供を開始した。その後、提供エリアを徐々に拡大。現在は、全339店のうち233店でモーニングメニューを提供している(1月20日時点)。物理的に朝型営業ができないケースを除き、今後も対象店舗は拡大していく予定だ。
モーニング導入のコンセプトは「朝から手軽に(量も価格も)食事を楽しんでもらうこと」。最初はトーストメニューだけを扱っていたが、20年秋に「ミニマムバーグディッシュ」、21年10月に卵かけご飯を追加していった。1月25日からは新しいモーニングメニューも販売するという。種類を増やすことで、好みの朝食を選択できるようにするのが目的だ。
モーニングメニューはどんな層が食べているのか。郊外の店舗では年配の利用者が多く、都市部では若年層や主婦層の利用が多いという。年代による出食メニューの傾向は特にないが、トーストメニューとハンバーグディッシュメニューの出食率はほぼ半々という状態だ。
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