44年前に生まれた「渋谷の店」が閉店 当時のファーストキッチンはどんな店だったのか:週末に「へえ」な話(1/3 ページ)
ウェンディーズ・ファーストキッチンの渋谷センター街店が幕を閉じる。1978年にオープンしたこの店は、なぜ閉店するのか。当時、どのような店だったのかというと……。
ガラガラガラガラガラ――。1月22日、ウェンディーズ・ファーストキッチンの渋谷センター街店が幕を閉じる。
「あのへんはファストフードの激戦区だからなあ。大手のハンバーガーチェーンに負けたんでしょ」「ファストフードだけでなく、飲食店が多すぎ。その影響を受けたのでは」などと思われたかもしれないが、いずれも違う。ビルの建て替えにともなって、閉店することになったのだ。
この店が誕生したのは、1978年5月のこと。池袋の超高層ビル「サンシャイン60」ができたり、24時間テレビ「愛は地球を救う」が放送されたり、キャンディーズが「普通の女の子に戻りたい」と言って引退したり。そんな年に、ファーストキッチンの3号店として“産声”をあげたのだ。
ちなみに、マクドナルドが日本に上陸したのは、1971年のこと。東京・銀座の三越百貨店に1号店を構えてから、7年後のことである。当時の日本はまだまだ「ハンバーガーが定着した」とは言えない状況の中で、ファーストキッチンの店はどのような商品を販売していたのだろうか。
40年以上前のメニューを見ていて、気になったモノが2つある。1つは「ベーコンエッグバーガー」だ。特徴はビーフパティ、ベーコンのほかに、卵を挟んでいること。いまの若い人たちは「それがどうかしたの?」と感じられるかもしれないが、当時のスタッフからはこのような声が多かった。「バンズに卵をはさむの? そんなハンバーガーは食べたことがないけれど、本当に売れるの?」と。
しかし、そんな不安も杞憂(きゆう)に終わった。若者を中心にウケにウケ、いまも主力商品のひとつとして販売しているのだ。
関連記事
- ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - ウェンディーズは「いま」どうなっているのか わずか1店舗からの“ウルトラC”
都市部を中心に「ウェンディーズ」の店を見かけるようになった。バブル時、100店を超えるほどの勢いがあったチェーン店はいまどうなっているのだろうか。同社の会長と社長を取材したところ……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.