ニュース
スマホ普及率65→80%に 高知県日高村でデジタル化が進むワケ:スマホ普及率100%を目指す(4/5 ページ)
人口約5000人の高知県日高村では、「村まるごとデジタル化」を掲げ、スマートフォン普及率100%を目指している。開始前に64.5%だったスマホ普及率は、22年6月時点で79.7%まで向上。どのようにして普及率を上げたのか。担当者に話を聞いた。
健康、防災、情報。デジタルサービスも好調
スマホ普及事業と両軸で始めた、「健康」「防災」「情報」の3分野でのスマホ活用事業も好調だ。
健康分野では、KDDIが提供する「ポケットヘルスケア」を21年6月から1年間、展開。健康管理や健康関連の情報取得ができるほか、健康活動ポイントに応じたインセンティブとして村内で使える地域通貨を付与して、利用を促進した。
その結果、663人の住民がサービスを利用した。提供終了後、アプリの利用による医療費抑制効果を分析したところ、概算(※)で約1000万円の結果となった。
(※)国土交通省が策定した1日1歩当たりの医療費抑制効果のガイドラインの平均値(0.0685円/歩/日)と、住民の歩数の平均値(上位5%を除く)を用いて計算。季節性や周期性による歩数の増減やアプリ以外の要因は含まない。
地域通貨はスマホ普及活動にも連動させ、ガラケーからスマホへの切り替え、紹介などによりポイントを貯められるようにした。さらに、村が推奨するアプリをスマホにダウンロードし、マイナンバーカードを設定すると1万ポイントを付与するキャンペーンも実施。約1200件の応募があった。
防災分野では、高知県が提供する「高知防災アプリ」を活用。雨量など防災関連の情報通知や防災マップの表示、安否確認などが可能だ。
村民への情報はLINEで自治体公式アカウントをつくり、運営している。通行止めや大雪の際の凍結防止剤の配布など、緊急性が高い情報を主に配信し、住民から好評だという。現在の登録者数は人口の約34%となる約1700人で、そのうち50代以上が58%だ。
関連記事
- ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.