なか卯が今でも「250円の朝食」を提供している理由 ライバルは牛丼チェーンではなかった:物価高騰にも耐え(2/2 ページ)
なか卯は、業界でも屈指のリーズナブルな朝食メニューを提供している。物価高騰が叫ばれる中で、なぜ低価格を維持しているのか。その理由を担当者に聞いた。
なぜこの価格帯で提供しているのか?
朝食の価格を決める上で、どのようなことを意識しているのだろうか。担当者に話を聞いたところ、「朝食にコンビニを利用する客層」を設定して、手軽な価格を追求しているそうだ。
実際に「おにぎり1個とドリンク1本、またはおにぎり2個を購入した時の料金」を指標の一つとしている。
確かにコンビニでこれらを購入すると、200〜300円程度になる。コンビニと同じくらいの金額にもかかわらず、店内で温かい朝食にありつけると思うと、なか卯の朝食は有力な選択肢になるかもしれない。
ちなみに看板メニューである「はいからうどん」は、通常の時間帯は並サイズで290円だが、朝の時間帯では10円安い280円。これも朝の時間帯のサービス価格ということだ。もちろん量は変わらない。
実際に、朝食の時間帯にはどのような客層が来店するのか聞いた。
店舗の立地によって客層は違っていて、ビジネス街や駅前の店舗では出勤前に立ち寄る会社勤めの人、郊外店ではシニア層やドライバーの人が目立つという。とはいえ、いずれも男女問わず幅広い年代の人が利用するそうだ。
エヌピーディー・ジャパン(東京都港区)の外食・中食市場における朝食の動向分析レポートによると、2022年7月の朝食を外食・中食で摂る機会数は、前年同月比で17%増となっている。コロナ禍前である19年同月比でも2%増だ。
なか卯に限らず、朝食をいつでも手頃な金額で摂れる外食チェーンは、その地域にとっての「インフラ」になりつつあるのかもしれない。
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