仕事に役立つ調査データ:
消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
就職情報大手マイナビは全国の企業、個人2000人超を対象とした「中途採用・転職活動の定点調査(2022年12月)」の結果を発表した。転職活動を行った理由を尋ねたところ「給与を高くしたい」が56.8%と全世代で突出して高い結果になった。
20〜50代の正社員のうち、12月に転職活動を実施した人は5.1%で、前年同月比1.0ポイント増となった。若年層ほど実施率が高く、20代では9.0%となった。
転職活動を行った理由では「給与を高くしたい」が突出して高く、以下に「スキルアップがしたい」「将来性のある会社で働きたい」「仕事内容を変えたい」が30%台で続いた。
マイナビは「政府による企業への賃上げ要求などもあり、働く人の給与改善ニーズは強い。今後優秀な中途採用人材を確保するために、企業の賃上げ競争が活発化する可能性が考えられる」と指摘する。
22年の冬季賞与が「あった」と回答した正社員は68.6%。賞与額の中央値は55.0万円、平均値は89.0万円だった。賞与額については「少ないと感じる」との回答が73.5%を占め、年代別では50代が最も高く78.0%となった。少ないと感じる理由は「世間一般の平均と比べると少額だから」が最も高く60.6%、次いで「仕事内容・量に見合ってないと感じるから」が41.9%となった。
賞与(支給額・タイミング)が転職活動の意欲に「影響している」と回答した正社員は64.2%となった。賞与額が少ないなどの理由から転職を検討する人が一定数いたことがうかがえる。
また、賞与額によって転職を思いとどまるか聞くと、「思いとどまる」と答えた割合は60.9%だった。転職を思いとどまる賞与額を聞くと、中央値は80.0万円、平均値は115.7万円となり、実際の賞与額の中央値・平均値と比較して25万円程度の差があった。
調査は1月6〜9日にインターネットで実施し、企業で中途採用業務を担当する851人と、個人1386人から回答を得た。
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