好調の「すし居酒屋」チェーン どんどん増える「や台ずし」「杉玉」は何がすごいのか?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
コロナ禍で居酒屋業態が大苦戦している一方で、すしが主力の「すし居酒屋」は好調だ。どのようなビジネスモデルで、どんな点が支持されているのか。
使い勝手の良い「立ち寿司横丁」
地鶏居酒屋「塚田農場」で知られる、エー・ピーホールディングスの事業会社エー・ピーカンパニーも寿司居酒屋に進出している。
「立ち寿司横丁」という店で、東京の中野、高円寺、吉祥寺、新宿と、4店まで広がった。店舗デザインには「恵比寿横丁」「渋谷横丁」などの成功で“横丁の仕掛け人”といわれる浜倉好宣社長の浜倉的商店製作所(東京都中央区)を起用。日本の伝統を感じさせる、祝祭的な空間を構築した。
1号店の新宿西口店は18年7月のオープン。立ち席、座れる席が各20席。立ち席は終日、ハイボール、サワーが半額になる。店名に横丁が入っているが、すしの単独店だ。
2号店の中野サンモール店は18年10月オープン。にぎやかな駅前アーケード商店街にあり、1階が立ち食い、2階がテーブル席となっている。計44席。
地鶏のイメージが強いエー・ピーだが、06年から「魚米(現・なきざかな)」「四十八漁場」などといった魚居酒屋業態に取り組んでおり、全国の漁師から朝どれの鮮魚を仕入れるルートを確立している。
立ち寿司横丁では、豊洲をはじめ日本全国の魚市場から、毎朝仕入れるネタをリーズナブルに提供。1貫65円からある。ランチにぎりなら1人前で1000円前後だ。その価格で、赤酢を使用したシャリを使った本格的なすしが楽しめるようにしている。ゆっくり座って食べられるスペースもあり、使い勝手の良い店だ。
3号店の高円寺パル店は20年3月、4号店の吉祥寺ハーモニカ横丁店は20年6月にオープン。どの店もコロナ禍にもかかわらず、ランチ時には行列ができていることが多かった。昼から飲んでいる人も目立つ。ネタの新鮮さには定評があり、人気店として定着していくのではないだろうか。
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