地方移住のハードル 「移住費用」「家族の同意」を上回る1位は?:社会人900人に聞いた
ライボ(東京都渋谷区)は、社会人約900人を対象に地方移住に関する意識調査を実施した。地方移住に対する興味について尋ねると、59.8%が「興味あり」と回答。一方で、移住費用や環境変化への抵抗が地方移住のハードルになっていることも分かった。
仕事に役立つ調査データ:
消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
キャリア調査機関「Job総研」を運営するライボ(東京都渋谷区)は、社会人約900人を対象に地方移住に関する意識調査を実施した。地方移住に対する興味について尋ねると、59.8%が「興味あり」と回答。一方で、移住費用や環境変化への抵抗が地方移住のハードルになっていることも分かった。
地方移住に対する興味について、「とても興味がある」17.8%、「興味がある」17.6%、「どちらかといえば興味がある」24.4%を合算した59.8%が「興味あり」と回答をした。
「興味あり」と答えた割合を年代別にみると、30代が63.1%で最多。次いで40代が62.6%、20代と50代が同率で57.1%となった。「とても興味がある」の回答は、50代の20.2%が最多となった。
「興味あり」と回答した522人に理由を聞くと「首都圏よりも居住費が安い」(61.1%)が最多。次いで「転職をせずに地方へ引っ越しができる」(55.0%)、「自然の中で生活できる」(41.0%)となった。
これまで地方移住を検討した経験があるか聞くと、「経験あり」が22.3%、「経験なし」が77.7%だった。今後検討する可能性があるかについては「あり」と回答した人が44.7%だった(「とてもある」10.0%、「ある」10.2%、「どちらかといえばある」24.5%を合算)。
地方移住のハードルは?
地方移住を検討する上でハードルになっていることを聞くと、「環境が変化することへの抵抗」が35.9%で最多。次いで「移住にかかる費用」(35.2%)、「地方での生活がイメージできない」(30.8%)、「家族の仕事の関係」(27.3%)、「家族の同意」(25.1%)と続いた。
地方移住に対して自由回答を求めたところ、肯定派からは「期間限定で地方で仕事するお試しなどがあると検討しやすくなる」「転職が当たり前の時代にあわせて企業でも移住ワークの理解が進めば良い」などの声が挙がった。
他方で、否定派からは「環境が大きく変わることに対するストレスや不安があり気乗りしない」「都会の利便性になれてしまうと地方暮らしは想像できない」などの意見が寄せられた。
政府は、東京圏からの地方移住者を2027年度までに年間1万人に増やす目標を掲げ、支援金を増加するなどして東京一極集中を回避しようと動く。一方、総務省が1月に公表した22年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、東京都は転入者数が転出者数を上回る「転入超過」が3万8023人となり、3年ぶりに拡大している。
調査は全国の20〜50代の社会人男女874人を対象に、1月20〜23日にインターネットで実施した。
関連記事
- テレワーク中「さぼった経験ある」65% ネットサーフィン、動画視聴を上回る1位は?
約7割の社会人がテレワーク中にさぼった経験がある――。そんな結果が、キャリア調査機関「Job総研」を運営するライボ(東京都渋谷区)のアンケート調査で判明した。さぼった内容として最も多かったのは「休憩時間を長めにとる」で57.7%だった。 - 5割が「不満」 冬のボーナス、理想は173万円 実際は?
『Job総研』を運営するライボは、社会人男女を対象に「2022年 冬ボーナス実態調査」を実施した。 - 24卒が選ぶ人気の就職企業TOP20 文系1位は「伊藤忠」、理系1位は?
企業採用支援会社のワークス・ジャパン(東京都千代田区)は、2024年3月卒業・修了予定の大学生・大学院生2万人超を対象に「就職希望先調査」を実施した。文系の学生に最も人気な企業は「伊藤忠商事」、理系の学生に最も人気な企業は「NTTデータ」だった。 - 学生の「内定辞退」阻止を狙う“後付け推薦”の実態とは? 立教大が企業に苦言
「内定がほしければ大学の推薦状を提出してください」。就職活動の選考プロセスが進んだ段階で、学生が企業から「推薦状」の提出を求められるケースが近年、増えているという。推薦状を提出させることで学生の内定辞退を阻止する狙いがあると考えられ、専門家は「学生を無理に束縛するような採用手法は自社の評判を下げるだけ」だと指摘する。 - 女性社員が茶くみや菓子配り 「ジェンダー格差」の背景にひそむ日本社会の「同調圧力」とは?
女性社員にのみ朝晩の掃除をさせる。飲み会で上司の空いたグラスに気付かないと「女子力がない」と評価される――。2020年代の日本に存在する、職場のジェンダー格差のほんの一例だ。性別による仕事の押し付け、不当な評価。誰もが「おかしい」と感じているのに状況が一向に改善されないのは、一体なぜなのか。背景を探ると、日本社会に特有の「同調圧力」の正体が浮かび上がる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.