「妊娠したら辞めてくれ」――マタハラがまん延する職場の特徴と対処法:働く女の“いらいら”(3/3 ページ)
本連載では、職場で働く女性ならではの“お悩み”を解説する。今回のテーマは「妊娠報告・産休・育休」。マタハラがまん延する職場の特徴と対処法とは?
「産休・育休」を取得するうえで、意識したいポイント
妊娠や産休・育休取得を上司や同僚に報告したい場合、「言いづらい」「申し訳ない」と思わなくて済むように、普段からの情報共有やコミュニケーションを含め、やはり心理的安全性が高い職場づくりに自らも貢献することが大切だと思います。例えば、「普段から不安なこと、心配なことを自ら率直に話し合う」など、ネガティブなことにも向き合って話し合う姿勢を持つことは効果的です。また、思ったことはその場で、今、率直に伝えることも重要。時間がたつと言いづらい気持ちがますます膨らんでしまうものです。
それでも、言いづらいこともあるでしょう。そういった場合に備えて、「誰に、どの話を、どの程度本音でできるのか」と自分でしっかり把握しておくと良いでしょう。
結婚、妊娠、出産といったライフイベントを機に、自分がどういった職場環境に身を置いているかが見えてくるかもしれません。「心理的安全性」をベースに、自分らしく安心して働くことを心に留めておきましょう。何か相談したいことがあった場合は、1人で抱え込まず、ぜひカウンセラーもぜひご活用ください。
川村佳子(かわむら・けいこ)
北海道生まれ。一般社団法人日本産業カウンセラー協会認定「産業カウンセラー」。日本人間性心理学会所属。上智大学グリーフケア研究所所属。防衛省、国土交通省、財務省をはじめ、国立機関や一般企業にて産業カウンセラーとして臨床経験を積み、現在航空自衛隊外部カウンセラー。幼少期に母が他界。亡母が闘病中に書き記していた日記を見つけ、職場での人間関係の悩みやストレスを驚くほど抱えていたことを知る。さらに、日本で初めてカウンセラー制度を導入した機関にて母が勤めていたことをきっかけに、職場のストレスや人間関係の悩みを抱えている方たちの力になりたいと強く思い、産業カウンセラーを志す。また、死別の苦しみや痛みをケアする「グリーフケア」の普及啓発にも積極的に取り組む。心理臨床オフィス「サクラメント函館東京カウンセリングオフィス」代表。著書に『嫉妬のお作法』『「女子ボス」のトリセツ』(フォレスト出版)がある。
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