「ランドセルは義務?」「重すぎる!」 新型の通学バッグが次々と登場する背景:軽さと機能性(5/5 ページ)
小学生向けに、ナイロンやポリエステル製の新型通学バッグを開発する動きが強まっている。各企業にその狙いや購入している層のニーズを聞いた。
自治体の通知で環境は変わるか
通学時に利用するカバンのルールについて学校が改めて保護者に通達したり、自治体のトップが発言をしたりするケースが目立ってきた。
例えば、東京都足立区の教育委員会は、1月20日付で「通学用カバンはランドセルに限らず、児童の携行品の状況などに合わせて、軽いカバンでも通学が可能である」と全校に通知している。
東京都江東区の教育委員会も、各学校の校長が集まる場で、小学校でランドセルの利用をルール化しているわけではないことを口頭で通知している。この通知を受けて、新1年生や在校生に対してランドセル以外で登校しても問題ないことを周知する学校も出てきたという。ある市議会議員からランドセル登校に関して質問されたり、「ランドセルが重たい」ということへの関心が高まってきたりしたことを受けての対応だ。担当者によると、保護者が「ランドセル必須」と誤解しないために、改めて口頭で通知したという。
千葉県の熊谷俊人知事はTwitterに「ランドセルは高価なものが多く、そもそも機能的ではないので、日本のランドセル主義はそろそろ見直す時期」「成長著しい小学校の6年間を同じカバンを使うことが前提となっている時点でおかしいと思いませんか? 小1と小6が同じものを使う必要はそもそも無いんですよ」と投稿している。
フットマークにも、ある地方の市議会議員から「通学時におけるカバンのルールについて検討するため、ラクサックと資料を貸してほしい」という要望があったという。
各自治体で通学用カバンのルールを再確認したり、これまでのルールについて保護者に再度通知するような動きは強まる可能性がある。
新型ランドセルの認知度は?
革製ランドセルではなく、ナイロンやポリエステルなどでできた通学バッグの存在を知っている保護者はどの程度いるのだろうか。幼稚園・保育園児向け情報誌を発行する「こどもりびんぐ」(東京都千代田区)が、4月に小学1年生になる子どもを持つ親412人に調査したところ、「知っている」が73.0%、「知らない」が27.0%だった。また、「あなたはお子さんに(通学用バッグではなく)ランドセルを使ってほしいと思いますか?」と尋ねると、「はい」が72.3%、「いいえ」が27.7%という結果に。
ランドセルを希望する保護者からは、「日本の文化の一つだと思うから」「小学生のシンボルだから」「6年間使うものなので、長持ちしてほしいから」という声が聞かれた。また、「いいえ」と回答した人からは「通学バッグの方が軽く、体に負担がかからなそうだから」といった意見があった。
各社から新製品が登場したり、学校や自治体がさまざまな情報発信をしたりすることで、新型通学バッグの認知度向上・普及は進んでいくだろうか。
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