「売り物」としての鉄道ダイヤとは? 鉄道各社、改正の意図をさぐる:「商品力」高める(1/3 ページ)
3月18日、JRを中心に各鉄道事業者でダイヤ改正が行われた。ダイヤ改正の動きから、鉄道各社の「商品」としてのダイヤをどう捉えているのかが分かる。それぞれのダイヤ改正の動きと、その意図をさぐる。
3月18日、JRを中心に各鉄道事業者でダイヤ改正が行われた。過去のダイヤの問題点を改め、より「売り物」としてふさわしいダイヤにするためだ。ダイヤ改正の方針から、鉄道各社がダイヤをどのような商品として訴求したいのかを読み取ることができる。同日、東京圏では「相鉄・東急直通線の開通」というビッグイベントがあった。まずはそのダイヤを見てみよう。
相鉄線・東急線は直通運転を開始
相模鉄道(相鉄)にとって、都心への直通は悲願だった。新ダイヤを見てみると、横浜直通列車を残しつつも(時間帯によっては減らしていない)、東急直通の列車を増やそうとしている。
東急直通、とくに都心へと向かう東急目黒線直通の列車は海老名発が多く設定され、本線からの利用客を都心に送り込もうとする傾向が見られる。東急東横線直通の列車は湘南台発が多く、10両編成の車両を使用し、東横線に合わせて運行していると分かる。副都心線方面への直通を意識しつつ、東急東横線内での高い需要を意識したダイヤとなっている。
平日の日中は横浜方面が12本、JR線方面が2本、目黒線方面が2本、東横線方面が2本と、各方面への需要のバランスが取れている。
一方、平日朝の時間帯は横浜方面20本、JR線方面4本、目黒線方面6本、東横線方面4本と、横浜市内と都心への通勤客を重視している。ちなみに横浜方面の本数は4本減った。以前は横浜で乗り換えて都心へ向かっていた人が、今後は相鉄・東急直通線で都心へ向かうと見込んでいるのだろう。
この改正に合わせて、西谷駅がさまざまな列車の結節点となった。乗換駅として各方面への列車が接続し、横浜に行く人も都心に行く人も便利なようにダイヤがつくられている。今回のダイヤ改正で、西谷発横浜行の普通列車も設定され、横浜へ行く人にも不便がないようにした。
このように、新線の開通にあたって、どの方面にも使いやすくし、利用者にとって便利なダイヤを目指したのが、今回のダイヤ改正である。
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