連載
「売り物」としての鉄道ダイヤとは? 鉄道各社、改正の意図をさぐる:「商品力」高める(2/3 ページ)
3月18日、JRを中心に各鉄道事業者でダイヤ改正が行われた。ダイヤ改正の動きから、鉄道各社の「商品」としてのダイヤをどう捉えているのかが分かる。それぞれのダイヤ改正の動きと、その意図をさぐる。
新幹線への接続も意識している
普段の時間帯は、相鉄・東急直通線も東海道新幹線も本数が多いので問題はない。気になるのは新幹線の始発である。
新横浜からは平日、始発「ひかり」が午前6時00分に発車する。その直後の6時03分、「のぞみ」491号を臨時列車として運行する。この列車に乗ると、名古屋や京都、新大阪に「ひかり」よりも早く着くことができるのだ。ダイヤを商品として見た時、これらの新横浜始発に接続するダイヤを設定できるかということは重要な観点だ。
これを踏まえてダイヤを見ると、相鉄(平日ダイヤ)ではかしわ台始発が5時30分、海老名発が5時40分に新横浜駅に到着する。東急では、奥沢始発が新横浜5時16分着、目黒始発が新横浜5時30分着、渋谷始発が新横浜5時48分着となっている。
臨時の「のぞみ」は、JR東海が今回のダイヤ改正に合わせて増設した。早朝、新横浜から西へ向かう人が増えるという想定で、試行的に土曜や月曜に列車を走らせようとしている。これは言わば、需要を見越して提供する「新商品」だ。
関連記事
- なか卯が今でも「250円の朝食」を提供している理由 ライバルは牛丼チェーンではなかった
なか卯は、業界でも屈指のリーズナブルな朝食メニューを提供している。物価高騰が叫ばれる中で、なぜ低価格を維持しているのか。その理由を担当者に聞いた。 - 「朝モス」利用者、実は40〜60代がボリューム層 そのコンセプトは
大手外食チェーンを中心に「朝食」の時間帯を狙った戦略を展開している。モスバーガーは2014年から「朝モス」を本格的に導入しており、現在では朝食の時間帯の売り上げが全体の約1割を支えているという。朝モスはどのような経緯で始まり、どんなメニューが人気なのか。運営企業のモスフードサービスに取材した。 - 「580円の朝焼肉」誰が食べている? 焼肉ライクが開店を“4時間”早めてまで始めたワケ
焼肉ライクは「朝焼肉セット」という朝食メニューを2020年8月から展開している。コロナ禍で時短営業を余儀なくされ、「朝の時間帯」に活路を見出したのがきっかけ。今はどのように利用されているのか取材した。 - スラムダンクの“聖地”は今――インバウンド殺到も、鎌倉市が素直に喜べないワケ
江ノ島電鉄(通称:江ノ電)のとある踏切は、アニメ版『SLAM DUNK』に登場する有名な「聖地巡礼」スポットだ。現在上映中の『THE FIRST SLAM DUNK』の人気で、世の中ではにわかに「SLAM DUNK熱」が再燃している。インバウンド需要も戻ってきている中、あの聖地は今どうなっているのか。現地へ向かった。 - 人口815人の村を「AR貞子」が救う? 奈良県・下北山村がだいぶ思い切ったコラボを決めたワケ
奈良県、下北山村が「貞子」とコラボした企画が盛り上がっている。ARをつかった観光アプリを開発し、貞子が村内の名所から出現するという企画だ。下北山村はなぜ貞子とのコラボを決めたのか、担当者に聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.