「ガスト」「バーミヤン」で深夜営業が続々復活 人手不足で中止したはずなのに、なぜ?:DXを推進(2/2 ページ)
「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」が、3月13日から深夜営業を続々と再開。コロナや人手不足の影響で、深夜営業を中止していた。どうして続々復活しているのか?
夜に働いている人のニーズ
なぜ、一度廃止していた深夜営業を復活させたのか。同社の広報担当者は「ポストコロナで、深夜の需要が回復した。働いている方を中心に『夜に食事ができる場所が少ない』という不満がある。社会的なニーズに対応するためだ」と説明する。
収益改善の狙いもある。インフレによって消費者の可処分所得が減っているだけでなく、水光熱費・人件費・原材料費といったコストが増加していることに同社は危機感を抱いている。売り上げを成長させるため、業態転換や海外出店を推進したり、メニュー戦略を見直したりしている。こうした施策に加え、営業時間を延長することで売り上げ増につなげたい考えだ。
では、人手不足問題はどうやって解決したのか。すかいらーくグループでは、22年にレジを中心にシステムを刷新。23年も継続してDXを推進することで生産性向上に努めてきた。
同社の22年度決算説明資料によると、新POSレジを全店に導入したことで1日当たりの労働時間が30分減少したという。また、800台超のキャッシュレス・セルフレジの設置を完了しており、その利用率は25%を超える。レジ業務に割く時間がどんどん減っているのだ。
導入した3000台のネコ型配膳ロボットも活躍している。ロボットが活躍することで、ガストでは片付け時間が35%、歩行数が42%それぞれ削減されたという。
このように、DXを推進することで深夜営業を復活させる準備が整ったというわけだ。
コロナ禍で夜時間帯の需要が減ったため、営業時間を短縮したり、朝食メニューを強化したりする外食チェーンが増えていた。しかし、本格的にコロナ禍が落ち着いてきた今、朝営業を中止し、夜の営業時間を延長する動きも少しずつ出てきた。今後も、深夜営業を復活させるチェーンが増えてくるかもしれない。
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