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なぜ「さつまいもブーム」が起きているのか 背景に“エリートの皮算用”:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
「さつまいもブーム」が起きている。街には焼き芋や大学イモの専門店が増えており、おしゃれなカフェでもさつまいもを用いたスイーツが販売されるようになっているのだ。その背景に何があるのかというと……。
実は今、「さつまいも」がブームになっているのをご存じか。
街には焼き芋や大学イモの専門店が増えており、おしゃれなカフェでもさつまいもを用いたスイーツが登場している、と以下の記事でも紹介されている。
『実は「4次焼き芋ブーム」真っただ中、「罪悪感すくないスイーツ」強力なライバル見当たらず』(読売新聞オンライン 2022年12月15日)
そこで気になるのが、なぜこのタイミングでさつまいもの人気が高まっているのか。専門家によれば「安納芋やべにはるかとかの品種が増えて、そのおいしさが見直されているから」ということらしいのだが、個人的にはもうひとつ、ブームの後押しをしている要素があると思っている。
それは「食糧危機」だ。
先日、東京大学大学院農学生命科学研究科教授、食料安全保障推進財団理事長である鈴木宣弘氏のこんな“予言”が注目を集めた。
『もうすぐ三食イモに、ゴルフ場をイモ畑に…国民は知らない「世界で最初に餓えるのは日本」という真実』
ご存じの方も多いだろうが、日本の一次エネルギー自給率は12.1%(19年度)でOECD(経済協力開発機構)加盟の36カ国中35位。しかも、カロリーベースの食料自給率は37%(20年度)でこれまた諸外国と比べてかなり低い。穀物自給率でみても28%(18年度)で、172の国・地域中128番目。また、OECD加盟38カ国中、32番目と目もあてられない有様だ。
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