日本より海外で有名!? 日清食品「出前一丁」が横浜中華街のレストランとコラボした狙い:発売55周年(3/3 ページ)
世界40以上の国と地域で販売されている世界的なブランド「出前一丁」。日本では他のブランドがあるせいか、それほど大きな存在感を示せていない。そんな状況を変えようと、出前一丁は横浜中華街の「招福門」横浜本店とコラボしている。
春休みに入るタイミングを狙った理由
実際に出前一丁を食べる年齢層はどうなのか。同部の飯田咲希さんは語る。
「購買層は、30代以上の世代が、20代以下の世代の倍以上を占めています。ブランドを成長させるために、若い人たちにも出前一丁の魅力を知ってもらい、食べてもらわなければいけません。そのため、今回のコラボは学校が春休みに入るタイミングを狙って実施することにしました」
現在、日本で売られている出前一丁は、期間限定のものを除けば袋麺とどんぶり(=カップ麺)タイプの5種類前後で、香港の多彩さに比べると大きな違いがある。
飯田さんは「香港だけで、袋麺、どんぶり、棒ラーメンなど合わせて40種類以上のバリエーションを展開していて、世界では130種類以上にのぼります」と話す。それだけのラインアップがあるならば、日本にも持ってくればいいと考えてしまう。だが、いろいろな味を展開する可能性については、一定の含みを持たせた。
「さまざまな規制があるので、海外の商品は簡単に輸入できません。ただ世界にはこれだけの種類があるので、日本流にアレンジして展開するのも面白そうだと思っています」(上原マネージャー)
香港で成功した方程式を日本に当てはめると、日本での販売量は増えるのだろうか。
「香港での販売方法などをそのまま適用することはできませんが、日本で展開する上で1つのヒントになると考えています。実際、もっと広げられると感じています」
今後の展開をするにあたっての位置付けも上原マネージャーに聞いた。
「チキンラーメンと同様、歴史のある商品という点を印象付けていきたいですね。40以上の国と地域で売られている『日本で生まれた世界の出前一丁』として、グローバルブランドであることもアピールしていきたいと考えています」
売り上げ目標などは公開していないという。23年は社会活動が本格化する分、家での滞在時間が減ると考えられ、売り上げを伸ばしにくい状況かもしれない。だが、上原マネージャーは販売に自信を見せる。
「ライフスタイルの変化により家で食事をする時間が増え、インスタントラーメンを食べていただく機会が増えました。多くのお客さまがインスタントラーメンを自身でアレンジして召し上がっていますので、日清食品からさまざまなアレンジレシピを提案することで、販売増につなげたいと思っています」
丸亀製麺などを運営するトリドールホールディングスは、17年12月に香港の有名ヌードル店「譚仔雲南米線」を、翌18年1月に「譚仔三哥米線」を買収した。22年には譚仔三哥米線の支店を新宿などにオープンさせている。
日清食品、トリドールという2つの大企業がある種の「逆輸入」をしているわけだが、こういった取り組みは日本の飲食がグローバルで張り合っていることを意味する。このユニークな事例が日本で成功すれば、事業展開の広がりにつながっていきそうだ。
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