「その程度の機能ならドンキで十分」 無難な表現もできたのに、あえて自虐的にしたワケ:家電をアピール(1/2 ページ)
ドンキのプライベートブランド(PB)「情熱価格」。新生活向けのキャンペーンで、自虐的なキャッチコピーを使用している。その狙いを担当者に聞いた。
「進学とか単身赴任で数年間だけ必要? その程度の機能ならドンキで十分だ!」――ドン・キホーテがプライベートブランド(PB)である「情熱価格」の家電商品をアピールするキャンペーンで、あえて自虐的なフレーズを使っている。
その狙いについて、同社のPB担当者に聞いた。
今回のキャンペーンは多くの人が新生活の準備を始める時期を狙って実施している、具体的にどのような商品をアピールしているのか。
例えば、「7kgドラム式洗濯機」はあえて乾燥機能を省くことで低価格を実現。キャンペーン価格を5万4781円としている(3月31日まで、以下同)。公式Webサイトでは「かっこいいドラム式がほしいけど、乾燥機能はあんまり使わない? それならこれで決まりだ! 水道代も浮くぞ!」とうたっている。水道代については、アイリスオーヤマの縦型全自動洗濯機「IAW-T703E」(2019年発売従来品)と比べて約半分になるという。
また、「チューナーレススマートTV」は、あえてテレビチューナーを外し、アンドロイド機能だけを搭載しているのが特徴。こちらは、4K対応 43V型で3万2780円だ。この商品は、「NHK受信料不要のテレビ」として売り切れになる店舗が続出するヒット商品となっている(参考記事)。
「シンプル機能電子レンジ 50Hz/60Hz」(8678円)は、あたためと解凍だけに機能を絞った商品。公式Webサイトには「ムダな機能ばかりでやたら高いレンジはもういらない」という挑戦的なキャッチコピーがある。
なぜ、そもそもドンキはこのような商品を開発しているのか。担当者は「PB企画開発には『核となるべき機能に集中特化した驚安商品の創出』という考え方があります。不要と思われる機能を省き、あえて機能を絞ることで、販売価格を抑え、お客さまの満足度を高めることを目的としています」と説明する。
情熱価格は2021年にブランドリニューアルを実施しているが、この考え方自体はずっと変わっていないという。
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