KDDI、「退職者とのネットワーク」を構築 再雇用制度と何が違うのか?:各企業で導入進む
人的資本経営で注目されるアルムナイネットワーク。KDDIも3月20日から運用を開始した。どんな狙いがあるのか。
KDDIは3月20日から中途退職した元社員と企業が交流する「KDDIアルムナイネットワーク」の運用を開始した。広報担当者によると、退職者を再雇用する制度はあったが、今回のような取り組みは初めてだという。
新制度の概要は次のようなものだ。
まず、KDDIアルムナイネットワークに元社員が自分の情報を登録する。すると、定期的に同社の採用やイベントに関する情報が届くというものだ。
同社は、元社員(アルムナイ)を「外部で新たな経験を重ねたプロ人財」として重要視する方針だ。単にOB・OGとして再雇用することを期待しているだけでなく、アルムナイと社員のコミュニティーを構築することで、ビジネス協業や提携、知り合いを紹介してもらうリファラル採用などにつなげることを狙う。
新制度の背景には「人的資本経営」への関心の高まりがある。同社は人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出し、中長期的な企業価値向上につなげたい考えだ。
アルムナイ制度を導入する企業は増えている。例えば、荏原製作所ではアルムナイに特化したクラウド型SNSシステムを導入。社内のニュースやキャリア採用の情報を継続的に提供している。また、双日でもアルムナイネットワークを構築し、各種プロジェクトへのアドバイス、事業創出のサポート、ファンディング先の紹介・確保といったことを実施しているという(出所:経産省資料)。
こうした動きがあることから、「アルムナイ側に自分が所属していた職場とのコミュニティー形成に対するニーズがあるだろうと判断した」(広報担当者)という。
KDDIは積極的に事業領域を拡大していることから、高い専門性を持った多種多様な人材採用を進めている。今回のアルムナイネットワークで、採用戦略を強化できるか。
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