NGのケースは? いまさら聞けない「副業」の基本をプロが徹底解説:春から副業したい人へ(3/4 ページ)
春は変化の季節。「副業をはじめたい」と考えている人もいるのではないでしょうか? そこで気になるのが、副業にまつわるいろいろな疑問です。
副業の働き方には2種類ある
副業の呼び名は、アルバイト、派遣、フリーランスなどさまざまです。働き方で分けると、「雇用契約」「業務委託・請負」というグループ分けになり、どちらに属するかを確認する必要があります。
雇用契約は、副業であっても企業に雇用されています。会社(上司)から指揮命令があって、ここで何時から何時まででこの業務をして、という働き方です。つまり労働基準法が適用され、労働時間の上限に制約があります。労働時間の上限は1週40時間、1日8時間であり、この上限は別の企業で働いていたとしても通算されます。
例えば、1日8時間の本業が終了したあと2時間の副業を始める場合、副業開始時点から時間外労働になります。そのため、副業先には事前に「すでに本業があり、そこで〇時間働いている」と伝え、時間外労働手当の対象になる旨を説明する必要があるでしょう。
それに対して、業務委託・請負は仕事の完成(成果物)に対して報酬が発生します。会社(上司)から業務のやり方や進捗管理などの指揮命令を受けて行う必要はありませんし、働く場所や時間の拘束性もありません。成果に対しての報酬があるだけで、働き方について制約がないため「労働者」とは言えず、原則、労働基準法などの労働法制の保護は受けません。
いつどのような形で仕事をしても成果物が完成していれば報酬になる点はメリットですが、それぞれが事業主として経済活動を行う「個人事業主」として、経営者的な視点やタスク管理、交渉力などが求められます。特に時間の制約を受けない点では、健康について自衛する人が本人だけなので、「ここで終了」というマイルールは必須です。
社内の正しいステップを踏んで副業を始める
どんな形で副業を始めるにせよ、始める前に、まずは本業の会社の就業規則を確認しましょう。許可制であれば、副業先の仕事内容などを明らかにし、本業に支障なく、いずれは本業に生かせる部分があることをアピールし、周囲の環境を整えてからスタートしましょう。
事後的に副業が判明した場合、たとえ本業に支障のない副業だったとしても企業側の不信感は相当です。また、収入面からも年末調整手続や住民税の増加、場合によっては副業先での社会保険加入などもあるため、副業を隠し通すことは困難です。
どれだけプライベートに寛容な企業であったとしても、副業はデメリットな印象が強いです。社内の正しいステップを踏んで環境を整えておくことが、副業で培ったスキルを本業で生かす素地になるでしょう。
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