KDDIの「副回線サービス」は割高? MVNOとどう差別化するのか:房野麻子の「モバイルチェック」(1/2 ページ)
3月27日、KDDIとソフトバンクが互いの回線サービスをオプションとして提供する「副回線サービス」を発表し、バックアップ回線に新たな選択肢が生まれた。KDDIは3月29日からauとUQ mobileユーザー向けにソフトバンク回線を提供するサービスを開始。ソフトバンクは4月12日からソフトバンクユーザー向けにau回線を提供する。
2022年7月に起こったKDDIの通信障害をきっかけに、非常時、臨時的に他キャリアのネットワークを使って通信を確保する「事業者間ローミング」が検討されている。12月に公表された第1次報告書では、データ通信や音声通話、緊急通報機関からの折り返し電話も可能なフルローミング方式を導入すべきとされた。
しかし、フルローミングに対応するにはシステムに大きな変更が必要となり、対応ソフト開発に数年かかるという意見も出された。フルローミングの実現はしばらく先のようだ。
事業者間ローミングに先行してデュアルSIMサービス
そこで注目されたのが、非常時のバックアップ用に通常時から別キャリアを契約して2枚のSIMを運用する「デュアルSIM」だ。これまでバックアップ回線としては、低容量で安価なプランを提供するMVNOや、0円から始められるKDDIのオンライン専用プラン「povo」などが選ばれてきた。
そんな中、3月27日、KDDIとソフトバンクが互いの回線サービスをオプションとして提供する「副回線サービス」を発表したことで、バックアップ回線に新たな選択肢が生まれた。
KDDIは3月29日からauとUQ mobileユーザー向けにソフトバンク回線を提供するサービスを開始。ソフトバンクは4月12日からソフトバンクユーザー向けにau回線を提供する。
これは、KDDIの高橋誠社長とソフトバンクの宮川潤一社長が、決算説明会などで提供を予告していたサービスが実現されたもの。NTTの島田明社長も2社と協議していることを明らかにしているので、同様のサービスを提供するものと思われる。楽天モバイルは社長の矢澤俊介氏が「同じ方向を見ている」としたが、詳細は語られなかった。
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