KDDIの「副回線サービス」は割高? MVNOとどう差別化するのか:房野麻子の「モバイルチェック」(2/2 ページ)
3月27日、KDDIとソフトバンクが互いの回線サービスをオプションとして提供する「副回線サービス」を発表し、バックアップ回線に新たな選択肢が生まれた。KDDIは3月29日からauとUQ mobileユーザー向けにソフトバンク回線を提供するサービスを開始。ソフトバンクは4月12日からソフトバンクユーザー向けにau回線を提供する。
「副回線サービス」の概要
副回線サービスは、2社とも料金やデータ容量は同じだが、細かい点で違いがある。
個人の場合、申し込みはauとUQ mobileは同Webサイトかお客さまセンターからとなる。ソフトバンクはショップで申し込むが、利用できるのはeSIMに対応したスマホのみだ。
料金は同じで、個人向けが月額429円、データ容量が500MB/月、音声通話料は22円/30秒、SMS送信料は3.3円/通。法人向けは月額550円、データ容量が1MB/月になるが、通話料とSMS送信料は個人向けと同じだ。
MVNOのプランと比較すると
副回線サービスのプランをMVNOのプランと比較すると、データ容量や月額料金は同レベルだが、最大通信速度の遅さが少し気になる。副回線サービスは個人向けの送受信が最大300kbps、法人向けが最大1Mbps。mineo(マイネオ)が通信速度で選べる「マイそく」プランを大手3キャリアの回線で提供しているが、最大300kbpsのライトプランは月額660円で、データは使い放題だ。
副回線サービスは非常時に使われることを想定していると思われるので、この速度になったのだろうが、非常時だけでなく普段も使う可能性があるならmineoの方が使いやすいだろう。
また、auとUQ mobile、ソフトバンクユーザーのバックアップ回線はドコモ回線でもいい。ドコモ回線を利用しているMVNOの安価な低容量プランで、副回線サービスよりも安いものがあるので、そちらを選んでもいい。
副回線サービスのメリットは大手キャリアが提供するという安心感だろう。ただ、ショップで相談、契約できるソフトバンクは申し込みやすいかもしれないが、auとUQ mobileのユーザーは電話かけてお願いするか、自分でWebサイトにアクセスして申し込む必要がある。MVNOの契約手続きとそれほど違いはないのではと思われる。
通話料まで含めた料金や使いやすさを考慮すると、個人的には副回線サービスよりもMVNOの低容量プランを検討した方が良いのではと感じる。おそらく、キャリアもMVNOに配慮してこの内容にしたのではと想像している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
0円廃止、契約者減、プラチナバンド割当て……23年も目が離せない楽天モバイルの行方は?
2022年のモバイル業界を振り返ると、常に楽天モバイルを取り巻く事案が注目されたという印象だった。23年も目が離せそうにない。
「ショップ削減が目的ではない」 ドコモが「オンライン窓口」を始める真の狙い
NTTドコモが、ドコモショップのサービスをオンラインで提供する「ドコモのオンライン窓口」を発表した。「ショップ削減のためではない」とのことだが、実際はどうなのか――。
スマホと衛星の直接通信に期待 マスク氏の「Starlink」、日本でも年内サービス開始へ
昨今、携帯電話業界では衛星通信に対する注目が非常に高まっている。次世代通信規格「5G」の次にあたる「Beyond 5G」や「6G」では、地上だけでなく、空や海、宇宙といった場所でも通信できるようにする「超カバレッジ」を目指している。その研究が進んでいるという背景もあるが、iPhone14シリーズが衛星経由の緊急SOS機能を導入したことも大きかった。
月面でのモバイル通信も! KDDI総研が挑む「6G時代」の夢広がるプロジェクト
KDDI総合研究所の先端技術研究所(埼玉県ふじみ野市)が、報道関係者向けに研究プロジェクトを紹介するイベントを開催した。Beyond 5G/6Gでの実用化を目指した、まだ研究段階のものが多かったが、実現すればユーザーがより快適になる、未来への夢が広がる技術だ。興味深いプロジェクトの一部を紹介しよう。
KDDI通信障害で注目「非常時ローミング」 ウクライナや米韓、カナダでは? 比較から日本の対応考える
総務省では現在、災害や通信障害で携帯電話が使えなくなっても、他事業者のネットワークを使うことで通信できるようにする「非常時における事業者間ローミングの実現」を検討している。第1回と第2回会合では、海外における事業者間ローミングの導入例が紹介された。これから導入しようとしている日本にとって参考になる内容だ。
