コンビニとスーパーが合体!? 大型「セブン」が期待されているワケ:実験店舗(2/2 ページ)
セブン&アイがコンビニとスーパーのノウハウを合体させた実験店舗を展開しようとしている。大型の「セブン」でどういったことを目指しているのか。
既存のコンビニ像から脱却
セブン‐イレブン・ジャパンの商品戦略本部長である青山誠一氏は、SIPストアを開発する狙いについて「コンビニというのはこういうものだという思い込みを払拭したい」と語る。例えば、これまでのコンビニは雑貨が弱いとされていた。「電池が急に必要になったからコンビニで買おう」といった緊急需要に対応するための品ぞろえをしてきたからだ。しかし、セブンでダイソーの商品を取り扱うようになったところ、「普段使う●●を買いたい」という目的買いが増えたという。
また、店舗で販売しているセブンプレミアムの調味料に「安心価格」のPOPをつけたところ売り上げが増加した。
こうした事例を踏まえ、従来は弱いとされてきたジャンルの商品も、ラインアップや販促を工夫すれば売り上げを伸ばせると確信したようだ。
コロナ禍で顧客の行動が変化したこともSIPストア構想の背景にあるという。これまでは、自宅周辺、勤務先、通勤途中といったように1人の顧客が複数のコンビニを使うことが多かった。しかし、コロナ禍で在宅勤務が増えたり、旅行を控えたりする人が増えた結果、1店舗のコンビニだけを利用するケースが増えたという。何度も通う身近なコンビニで、いろいろなものを購入したいというニーズが高まっており、品ぞろえを強化することで対応する考えだ。
国内のコンビニは飽和していると指摘されることもあるが、SIPストアはさらなる成長を続けるための役割を期待されている。4月6日に公開された決算説明資料では、これまで出店が難しかった場所に進出する手段として「コンパクト店舗」「自販機」「省人化店舗」などが挙げられている。また、デリバリーサービスの「7NOW」にも注力するとしている。SIPストアもこれら出店戦略の一環として同社は位置付けている。
セブンとイトーヨーカドーのノウハウを活用した新型ストアの実験は顧客に支持されるか。
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